英語に親しむ

第7部「生かす」(上)

2016年11月6日

IT駆使し、国際交流 実践通しグローバル感覚を

事前に調べたコアラの生態を英語で発表する児童たち=2日午後、大阪市此花区の梅香小

 「Why don't koalas have permanent nests?」(コアラはなぜ特定の巣を持たないの?)。児童がインターネット電話サービス「skyp(スカイプ)e」を通して、オーストラリア・クイーンズランド州立モギルコアラ病院の獣医師アラン・マッキノンさんに英語で尋ねる。スクリーンにはユーカリの木にすやすやと眠るコアラが映っている。

■コアラから学ぶ

 大阪市立梅香小(玉川実二校長)の6年生は事前にタブレット端末を使って、コアラの生態や置かれた状況などを調べ、生じた疑問などをまとめた。

 それを英語に訳して練習し、アラン先生に投げ掛けた。それに答える先生の英語に耳を傾ける。約1時間の交流を終え、「聞き取れる部分もあった」と満足そうな児童もいた。

 「僕の知らないことを教えてもらえた」「コアラについてもっと知りたくなった」「オーストラリアとつながったのはすごいこと。ずっと忘れない」「コアラを守るために僕たちにもできることをしていきたい」。授業が終わった後の彼らは少し興奮していた。

■ツールの一つ

 オーストラリア日本野生動物保護教育財団からの国際交流出前授業で、「ICTモデル校事業」そしてグローバル教育の一環として実施。これまでにもトンガ王国やマラウイ共和国からの出前授業を受けている。先月末には5年生がオーストラリアのプレンベール小学校とスカイプで交流授業を行った。

 コアラ病院は州政府により運営されている唯一の野生動物病院で、けがや病気のコアラが入院しており、自然に戻ることができるよう治療を施している。その実際の様子を見たり聞いたりすることで、子どもたちは自然保護の大切さを学ぶ。英語はそのツールの一つだ。

■基礎、継続、実践

 玉川校長は以前IT関連企業に勤めており、海外勤務も経験。「当時小学生だった娘たちが3カ月ほどで英語を話せるようになった」ことなどから、早期の英語教育の必要性を痛感。校長に着任した2013年から、「1・2年生は楽しんで、3・4年生は興味を持って、5・6年生はスキルを付けて」取り組める英語教育に力を入れている。

 全児童は毎朝15分、モジュール学習キットを活用してリスニングや他3技能習得に向けて取り組む。外国人講師による英語授業やUSJのエンターテイナーらを招いて交流する「English Day」、春の遠足時には奈良公園で外国人に英語で突撃インタビューを敢行。「英検ジュニア」には全児童が挑戦している。

 「基礎、継続、実践の三本柱で英語コミュニケーション力を育成している。発音も良く、英検合格率からもその効果は表れている」と玉川校長。アランさんに「素晴らしい機会を与えてくれて感謝している」と流ちょうな英語で伝える校長の姿に、児童の学習意欲はさらに喚起されたことだろう。

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 「英語に親しむ」最終第7部は、教育現場での先導的な英語力育成を実践する取り組みを紹介する。

ミニクリップ

 ICTモデル校事業 最新のICT環境を整え、変化の激しい社会を生き抜くために必要な資質・能力を育成することを目指し、大阪市は2012年度からICT活用モデル校を設置。現在29の小・中学校がモデル校となり、タブレットPC、電子黒板機能付きプロジェクター、校内無線LAN等のICT環境が整備されている。



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