英語に親しむ

「番外編」 青年海外協力隊

2016年11月8日

その先に広がる世界

青年海外協力隊員としてウガンダで活動した新立さん(手前右端)=本人提供

 「中学1年から一番嫌いな教科は英語。国際協力、海外にほとんど興味なし」

 アフリカのウガンダ共和国からこの夏に帰国した青年海外協力隊員の新立みずきさん(25)=奈良県出身=は、国際協力機構(JICA)が4日に大阪市内で開いた記者懇談会で、こう自己紹介した。

 興味がなかった国際協力だが、大学在学中に先輩を通じて青年海外協力隊の活動を知り、興味を覚えた。

 とはいえ、海外で不可欠な英語力は受験勉強で覚えた程度。英会話に必要な「話す」「聞く」は苦手なまま、英語を公用語とするウガンダで2014年7月から活動を始めた。

 職種は女子中高生を対象にした体育教育。1クラス60〜80人規模の割にはバスケットボールが8個と運動具がもともと足りず、現地の専門教員も不足する悪戦苦闘の環境にあって、最初の半年間は「片言の英語」で意思疎通を図っていたが、その後、「話す」「聞く」は次第に身に付いたという。

 「2年たてば、意外に何とかなる」と青年海外協力隊員の語学力習得を評価したのはJICA関西の大西靖典所長だ。新立さんもそのケースに当てはまったことになるが、新立さんは青年海外協力隊員として手を挙げた思いをこう話した。

 「英語は海外生活で避けて通れず(私にとって)ハードルだった。ただ、ハードルを越えられないからと立ち止まっていれば、その先が見えない。だから飛び込んだ」。青年海外協力隊員として「人づくり」に努めた新立さんは経験を生かそうと、島根県・隠岐の島に位置する海士町の教育現場に次のステージを求めている。

   ◇   ◇

 東京五輪・パラリンピック開催の20年に向け、政府が設定した訪日外国人客数の目標は4千万人、受け入れ留学生の人数は30万人だ。

 小学5、6年生対象の外国語活動を3年生に前倒しする取り組みも20年度に予定されており、周囲の国際化は急速に進みつつある。コミュニケーションツールとして英語は欠かせなくなっている。

 本紙は昨年9月にスタートした連載「英語に親しむ」を通して英語を率先して身に付け、活用する人たちの動きを20回にわたって紹介した。なぜ、英語に親しむのか−。新立さんの言葉を借りれば「その先」の世界に目を向けようとする思いがあるからだろう。



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