連載・特集

大森均の釣れ釣れ草

アユ釣りの将来に暗雲 冷水病と川鵜

2009年5月22日

有田・日高川解禁情報

アユ釣り風景

 待ちに待ったアユ釣りシーズンがやってきた。この「釣れ釣れ草」の欄でも毎年この時期になると釣況予想を行うが、大西満名人をはじめとするベテラン諸氏の情報と天然遡上(そじょう)の様子や放流量を漁協から聞き取り、勘案している。しかし、直前になって大きくその予想が下回ることがある。それは冷水病と川鵜(かわう)の影響が読み切れないからだ。シーズンに先立ち、冷水病と川鵜の深刻な問題に合わせて、好調を予想される大阪からほど近い有田川と日高川の解禁情報をお伝えする。

 ▽冷水病は人には感染しない

 長期的にアユ釣りの将来を考えると、今年の釣況予想どころではない。半世紀後には友釣りという日本固有の釣り文化が消滅しているかもしれない、とすら思えるほど近年の冷水病と川鵜の被害は甚大だ。

 昨年も和歌山の有力河川で、解禁直前に冷水病にかかったアユが上流から流れてきて淵(ふち)がまっ白にたまった、という話が聞かれた。これに追い打ちをかけるかのように川鵜が数百羽の群れをなしてアユを食い荒らしているから釣れなくなって当たり前。

 そもそも冷水病とは昔からあるものではない。平成になってからのアユのはやり病であるが、もともとは北米のマスの病気で、二十年ほど前にマスの養殖場で見られるようになったと聞いている。

 従来、琵琶湖産稚アユを「湖産」と称して各地の河川に放流して天然遡上の不足分を補ってきたアユ釣りの歴史があった。現在の常態化した流行は、冷水病菌を保菌した「湖産」を各河川へ放流したことが拡散の原因といわれている。今はやりの新型インフルエンザを連想させるが、琵琶湖産の80%以上が冷水病菌を保菌しているといわれているからインフルエンザとは比べものにならないほどの蔓延(まんえん)状況といえる。

 現在、水産庁が中心となり予防法、治療法を研究しているが、いまだに決め手となる方法が見つかっていないらしい。ワクチンの研究においてはそれなりの進ちょくをみせているが、これも100%大丈夫というところまでは至っていないそうだ。

 ここまで書くと「冷水病にかかっているかもしれないアユを食べて大丈夫?」という読者の声が聞こえてきそうであるが、冷水病は人には感染しない。とは分かっていても、アユの細菌感染症が冷水病であると考えると、私は「背ごし」のような生食よりも塩焼きでいただきます。何分デリケートですから。ハイ。

 ▽「今年は有田も日高もよい!」と太鼓判!

 ■有田川(和歌山)

 去年より天然遡上は確実に多い。海産四トン、人工産三トン放流済み。五月初旬の調査釣りでは、三日に四十人ほどの釣り人が入り、金屋駅裏の瀬で釣った釣り人が六時間で47尾がトップ。十日は三十七人のなかでこれも金屋駅裏の瀬で釣った釣り人が57尾でトップ。中央大橋上手では40尾、榎瀬橋付近では33尾などの釣果があった。ダム上流は六月七日から一般解禁。

 問い合わせは有田漁協組合=電話0737(52)4863、同テレホンサービス=電話0737(52)7882。年券は一万五百円(写真要)日券三千百五十円(現場徴収千円増し)

 ■日高川(和歌山)

 天然遡上例年並みに多い。人工産三百万尾放流済み。五月初旬の調査釣りでは、三日、87尾の釣り人が竿(さお)頭。ほかに三時間で37尾の釣果などもあった。十日、六十人の釣り人のなか、菅橋上流で釣った釣り人が38尾でトップ。友人の宮下雅域さんもこの日釣行におよんで「午前中で帰ったが19尾とまずまずでした」とのこと。さらに「今年は有田も日高もよい!」と太鼓判!

 問い合わせは日高川漁協組合=電話0738(52)0224。年券は一万五百円(写真要)日券三千百五十円(現場徴収千円増し)

週末のイチオシ 気配

■船(1)■明石・兵庫

 マダコと良型キスの2本立てが好調。釣果も安定しており出掛けるなら今がチャンス。18日、0.5−2.5キロのマダコ11ハイとキス24−28センチ14尾が竿(さお)頭。おいしいお土産は確実にゲットできそう。火曜日休業。要予約。▽名田屋乗合船=電話078(912)7211

■船(2)■塩屋・和歌山

 今週は塩屋から楠井沖に出船している急上昇のイサギ狙いを推奨。19日、23−35センチ130尾と今季一番の釣果が出た。船頭仕掛けの手釣りで、クーラー1つで出掛けられる。お土産確実。要予約。▽谷口釣船店=電話0738(22)3662

■磯■梶賀・三重

 グレ一発気配濃厚。連日40センチオーバーの尾長グレが上がっている。梶賀の傾向はこの時期に大黒周辺で夢の50センチ超が期待できる。19日、大黒にあがり2人でグレ27−45センチ25尾(うち40センチ超4尾)。▽榎本渡船=電話0597(27)2211

■筏■衣奈・和歌山

 衣奈がチヌ上昇気配。ボケ・オキアミのエサで40センチ超が姿を見せるようになった。18日も38−43センチがマリーナの筏(いかだ)で4尾、エサはオキアミ。また、アオリイカが2−3ハイならアジを泳がせてのヤエン釣りで期待できる。▽中長渡船=電話0738(66)0657

■波止■泉佐野一文字・大阪

 投げ釣りでキスが釣れている。いい人で15−23センチが10尾程度。19日、6番でキス10尾。ほかには、シラサエビ使いのウキ釣りやズボ釣りでメバル10−20センチが10−30尾。ほかに落とし込みで18日にチヌ35−48センチ8尾がイガイのエサで釣れた。▽菊川渡船=電話0724(62)8945

 (大阪日日APG 江藤昌彦)