大森均の釣れ釣れ草

釣りの楽しさ釣果にあらず

2017年5月9日
イシダイ釣り風景

 釣り人は、釣りの話を始めると終わりがない。釣りの話だけで一夜を明かせる。

 昨日、当宅にたまたまゴールデンウイークに釣行予定のない釣友2人が訪れた。予定がないというより、行き帰りの渋滞の苦痛から避けた、という方が正しい。2人でも話が弾むのに3人集まれば、次の釣行計画、過去の実績、釣法、自慢話などあきれるほど途切れることがない。

 こんな私の話がある。和歌山御坊のその場所に行くと、1年5回のうち4回は出会う地元の釣り師がいる。帰りに喫茶店にご一緒したり、昼食を共にしたりするほど意気投合して10年ほどになる。しかし、よく考えると相手のことは仕事すら知らない。

 「そう言えば釣りの話しかしていなかったなぁ」。それほど釣り一色。

▽イシダイは「幻の魚」

 訪れた2人は“私マキエ”(?)に釣られて今年イシダイ釣りにデビューする。めでたいことに、2人は60センチのイシダイが必ず自分のエサに食いつく、と思い込んでいるフシがある。

 大阪の磯釣り師がイシダイを狙うとすると、4時間かけて和歌山の串本あたりの磯にでかければ60センチの大型に出会える可能性がわずかにある。一念発起してイシダイ釣りに入門し、5年間1尾も釣れずにやめてしまったという話は聞いたことがあるが、釣行の度に3回続けて釣果があった、と言う話を聞いたことがない。釣り人が釣果のないことの言い訳を含め、好敵手に対する称賛を込めてイシダイを「幻の魚」と呼ぶくらい出会うことが少ない。

▽盛り上がりも天井知らず

 この日の会話は恐ろしいほど弾んだ。そこで決まった釣行先は、五島列島。早速、5月中にという大筋が決定。こうなると、その期待に話は暴走列車のように止まらない。普通、初めての釣りに臨む際は、不安と期待が相半ばするものだ。一応、道具の最低限の確認くらいの話から始まったが、途中のプロセスは皆無で次の場面は魚と格闘している映像が浮かぶような頭の構造になっているようだ。

 「大森さん、たくさん釣れたら〆てクーラーに入れておくんですか? それともストリンガーで活かしておくんですか?」など、質問も前向き、前向き。この2人には付ける薬はない。もちろん、前述のような厳しい現実も話して聞かせたが、自分とは関係がないと思い込んでいるのか盛り上がりも天井知らず。

▽釣果より大切な釣り仲間

 釣りの楽しさは釣果のみではない。天井知らずに盛り上がる会話、磯の上で見る日の出の美しさなど都会の喧騒(けんそう)を離れた自然の真っただ中は釣り人ならずとも味わい深いものだ。また、気心の知れたメンツで行く泊まりの釣行は、忘れかけていた修学旅行の楽しさを思い出す。

 釣り宿の晩さんは新鮮な魚づくしで高級旅館をしのぐほど。釣りは童心に帰れる遊びともいわれる。そんな仲間がいてこの楽しさが味わえる。釣果より大切なものは間違いなく釣り仲間にちがいない。

週末のイチオシ気配

 ■船(1)■鷹巣沖・福井

 鷹巣沖でマダイ(40〜85センチ)好調。平均釣果は40〜75センチ10〜15尾前後。フカセ釣りでハリスは5〜6号、ハリ伊勢尼10〜12号、エサはオキアミ。▽越前FC=電話0776(22)1095

 ■船(2)■印南・和歌山

 印南沖に出てイサギ好調。同魚27〜35センチ50〜70尾見込める。サオ2.1メートル、天秤ズボ釣り、吹き流し3本針。エサはアミエビ。▽清義丸=電話0738(42)0259

 ■磯(1)■尾鷲・三重

 ようやく水温が上昇して、グレの気配が出てきた。連日半夜釣りで40センチ超が出ている。通しでグレ25〜50センチ5〜10尾。他にイガミ良型(40センチ超)好調。この時期の荒れた日の内磯は、尾鷲の爆釣パターン。▽宮城野渡船=電話090(2186)3313

 ■磯(2)■周参見・和歌山

 グレ40センチが期待できる。シオフキ島、スズキアジロ、オオギシ島で25〜40センチ3〜15尾などの釣果あり。▽岩元渡船=電話0739(55)2227

 ■カセ■串本・和歌山

 大島筏横のカセで天秤フカセ(ハリス5号)マダイの良型(50センチ超)1〜5尾が有望。また、活アジの呑ませ釣りでヒラメ1〜2尾が期待できる。▽大裕丸=電話0735(65)0603

 ■波止■南港・大阪

 5月に入ってハネさらに上昇。70センチ超が連日上がっている。チヌも前打ち(カニ)や落とし込みで35〜45センチ5尾前後。▽丸高渡船=電話06(6613)1075

 ■ヘラブナ■佐中ダム・兵庫

 好調持続。1号東、2号東で28〜40センチ50尾が竿頭という数字が聞かれる。さらに上昇必至。▽ハイマート佐仲=電話079(593)0888

 ■管理釣り場■水無瀬川・大阪

 13番でアマゴ18〜21センチ20尾。竿4.5メートル、アマゴバリ4号。エサは生イクラ、ブドウ虫。▽漁協事務所=電話075(961)6500

 (大阪日日APG 川崎禎昭)