大森均の釣れ釣れ草

潮を知ろう 〜データ蓄積で釣果アップ

2017年10月30日

12年ぶり「黒潮大蛇行」

黒潮大蛇行

 釣り人は潮回り、潮行きに無関心ではいられない。新聞やテレビで「黒潮大蛇行!」と報じられると、自分たちの直接の釣果に 影響があるのかと、浅ましい視点でこの自然現象に注意が向いてしまう。

 日本近海は、世界でも最も多様で豊かな海と言われている。そうした豊かな海を生み出す要因の一つが、千島列島から南下する親潮と、フィリピンから北上してくる黒潮ということになる。報道などを注視していると、通常、静岡県から約100キロ離れたところを流れているはずが、現在は約300キロまで大きく南下したのち、「ひ」の字を描くように伊豆諸島付近を北上しているという。

 これは、12年ぶりのことで、その成因も解明されていないそうだ。南紀では黒潮が接近するか離れるか、その影響は水温の変化に及んで釣果に深く関わる。こうなると、これからシーズンインするグレ釣りに影響が出ないかなど自分勝手な心配をすることとなる。先日、尾鷲の船頭に聞くと「大蛇行の影響か、例年より潮位が10センチから20センチ高いように思う」と、その影響を予感させる微妙なコメント。

 ▽敏感な魚の習性

 海釣りではわずかな潮の動きが如実に釣果に変化をもたらす。半世紀の間、夢中になって釣りをした経験の中で、潮がまったく動かないのに入れ食いなんてことは一度もない。潮時は対象魚や釣り場所で微妙に違うが、とにかく魚は潮の動きに敏感で、潮が動きだすと食餌行動が活発になって釣れだす。

 貴重な体験談をひとつ。かつて、直下の水中映像を映し出すカメラが発売された時、南港の新波止に落とし込みの名人がその新兵器を持って出かけた。「潮の動かない時には、魚は周囲にいないと思い込んでいました。半時間ほど前まであれほど釣れたのに、ピタッと食いやんでしまうとは…。潮の満ち引きなどで波止から離れたりしている?などとピント外れな想像をしていました。しかし、水中映像を見て衝撃を受けました。釣れる時も釣れない時も周囲に同じようにチヌは泳いでいました。いないではなく、『口を使わない』のです。潮が動きだした途端にエサをついばみだしました」と、お伺いした。

 ▽季節による潮位

 潮の動きの量は潮位で表される。季節によっても潮位は変わり、大潮の場合は春から初夏は昼間に大きく動く潮汐(ちょうせき)となり、秋から冬には夜間に大きく動く潮汐になる。潮干狩りは 干満の差が大きい春から初夏にかけての大潮が最適といわれるのはこのため。

 釣りに限っていえば必ずしも潮の大きいときが有利とはいえないが、釣り場の地形や状況によって条件はもちろん変わる。長年データをとっていれば、大潮、中潮に比べて長潮、若潮の日に釣果が少ないのは歴然とわかる。潮を理解してお気に入りの釣り場のデータを蓄積すれば、さらに釣果はアップすること間違いなし!

週末のイチオシ気配

 ■船(1)■若狭本郷・福井

 例年のデータから11月中旬までに湾内でキスの爆釣必至。毎年1人100尾程度の釣果出る。要予約。▽林渡船=電話0770(77)0591

 ■船(2)■東二見・兵庫

 マダコがおもしろい。同魚0.3〜2.0キロ50〜60パイの竿頭続く。別船でハマチ40〜50センチ5〜10尾、メジロ70〜75センチ1〜5尾が竿頭。要予約。▽西海丸=電話078(942)6480

 ■船(3)■泉佐野・大阪

 潮回りから今週末タチウオ上昇気配。神戸沖または淡路沖に出て80〜105センチ10〜20尾期待できる。タチウオテンヤ40号使用。要予約。▽海新丸=電話0724(69)2332

 ■磯(1)■大引・和歌山

 この時期になるとマダイの良型(60センチ超)が登場する。グレ・イサギの気配も上向き。他にイシダイは、アシカの子、ヒジキなどでアタリ頻繁。▽村井渡船=電話0738(65)1041

 ■磯(2)■紀伊長島・三重

 イガミがホンダワラのエサで堅調。耳穴などで30〜40センチ5〜15尾見込める。グレはまだ型小さく30センチまでを5〜10尾程度。▽石倉渡船=電話05974(7)0712

 ■筏■堂ノ浦・徳島

 呑ませのヒラメ、カレイのチョイ投げ佳境。カレイ25〜35センチ5尾前後、ヒラメ35〜45センチ1〜3尾狙える。▽斎藤渡船=電話088(688)0453

 ■波止■武庫川一文字・兵庫

 呑ませ釣りでハマチ40〜55センチ1〜3尾、サゴシ50〜55センチ1〜5尾期待できる。際近くの釣果が良く、アジ任せで食ってくる。▽武庫川渡船=電話06(6430)6519

 ■投げ■垂水西舞子海岸・兵庫

 20〜30センチのマコガレイが主体であろうが、40センチ級の一発が期待できる。エサ取りも多いので、仕掛けのこまめな点検を。▽まるは垂水店=電話078(705)0841

 (大阪日日新聞APG 錦剛司)