大森均の釣れ釣れ草

カマスより素早い人間の移動

2017年12月18日
防波堤に並べられたカマス

 われわれがカマスを見かけるのは、一夜干しになったあの姿が多い。カマスの魚類学的特徴は、消化器が短いので消化も早く、絶えず空腹状態であるため、ひたすら貪欲に餌を追うということらしい。肉は白身で淡泊だが、生では水っぽく柔らかいため、刺し身で食べられることは少ない。ほとんどが干物や塩焼きなどに加工調理される。

 数年前、五島列島の防波堤で千尾ほどが大群になって、群れがゆっくり移動する光景に出くわし、「道具さえ持っていたら」とじだんだを踏んだことがある。イワシなどのベイトについて堤防など潮通しのいいところに回遊してきたカマスをルアーやサビキで釣るが、その群れに当たらなければまったく釣果のないギャンブルのような釣りだ。逆に、釣れている時期は一定期間比較的大きな湾に留まり回遊を繰り返しているので、鮮度の高い情報を得て詳細なポイントを特定できれば十分な釣果が期待できる。

 いつごろか、偶然の回遊を待つよりボートでピンポイントを狙い撃ちすれば釣果が上がるのが知られて、この時期の三重の大きな湾を擁する各所で風物詩として人気が高い。

 ▽紀伊長島湾で53尾

 10日、門真市の金沢徳次さんは釣友に「釣れている」と聞いて、紀伊長島湾にカマスを狙って出かけた。金沢さんは、一年中ゴムボートをオールでこぐのどかなスタイルのこの釣りだけを続け、過去にマダイ75センチ、ヒラメ82センチなど数々の大物をしとめている。

 早朝7時出船、貸船店のボートが集結しているところがポイントと狙いをつけたが、入る余地がないほどに集まっている。仕方なく離れた養殖いかだにボートを固定した。30分近く無反応な時間が続いたという。いかだの反対側へ移動しようと考えたその時、待望のアタリが。まず、1尾。その後、連発で3尾。いつの間にかこちらを目指してボートが集まりだした。

 「カマスの群れの移動も早かったですが、それ以上に人間の移動の素早さには驚きました」と金沢さんは苦笑い。地合いは短いと読んで集中力を高めたという金沢さんは連発に次ぐ連発、3尾同時にということも度々あった。

 次第にアタリも遠のいたらしいが、「最初に釣れている気配を察知して到着したボートはある程度釣果があったようですが、最後に着いた手こぎボートは、多分1尾も釣れていないように見えました。カマスは1カ所に留まっていないことがよく分かりました」と、感心しきり。この日、金沢さんは陸に上がって防波堤に10尾づつ並べて5列と3尾、計53尾の大釣りとなった。

 調理師の免許を持つ金沢さんにどうして召し上がりました? と伺うと「40尾ほど一夜干しにして保存しました。帰ったその日は、カマスの皮がおいしいので、皮をバーナーで焼いて焼き切りにしました。日本酒がバッチリ合いました」。

 金沢さんの笑顔がその味を保証しているような満面の笑みだった。

週末のイチオシ気配

 ■船(1)■北港・大阪

 タチウオ復調気配。いよいよ今週末から来週末まで潮回り良く大釣り必至。メーター超期待。タチウオテンヤ40号、エサはイワシ。要予約。▽ヤザワ渡船=電話06(6573)7712

 ■船(2)■加太・和歌山

 カワハギ堅調。田倉崎沖に出て同魚15〜30センチがいい人で10〜20尾程度の安定した釣果が出ている。エサはアサリまたはシラサエビ。要予約。▽三邦丸=電話050(3532)9619

 ■磯(1)■袋・和歌山

 グレさらに上昇。沖のヒラバ、横島、一の島、モムシなどで同魚30〜35センチ前後を5〜10尾。水温は現在18度前後。完全予約制。▽かわばた渡船=電話0735(62)0052

 ■磯(2)■尾鷲・三重

 海況安定しないこの時期は、全天候型の尾鷲を推奨。寺島、サバル、立神、大鼻、白浜あたりで30〜40センチが5尾前後。▽宮城野渡船=電話05972(2)1347

 ■波止(1)■南港・大阪

 チヌの良型が狙える。オキアミをエサにフカセ釣りで今の時期は比較的良型がそろう。35〜50センチがいい人で3〜5尾。▽丸高渡船=電話06(6613)1075

 ■波止(2)■垂水・兵庫

 垂水一文字でグレが20尾前後期待できる。ハリス1号、グレ針4〜5号、タナ1〜2ヒロ。ほかにシラサエビの探り釣りでガシラ&メバルも10〜30尾。▽船長丸=電話=078(707)7181

 ■投げ■泉佐野一文字・大阪

 カレイが今週末あたりから接岸するはず。いい人で20〜30センチが5尾程度期待できる。年明け中旬までが有望。エサは青イソメ。▽菊川渡船=電話072(462)8945

 ■管理釣り場■小柿渓谷・兵庫

 15〜22センチのアマゴがいい人で15〜20尾。つどい橋下流あたり有望。ハリス0.3号、アマゴ針5号。エサは生イクラとミミズ。▽漁協事務所=電話079(569)0693

 (大阪日日APG 川崎禎昭)