大森均の釣れ釣れ草

日本最古の魚拓は鮒

2018年2月6日

デジタル魚拓も出現

圧巻のクエの魚拓
人生2度目にとったスズキの魚拓

 師匠は、釣り日誌をつけていた。拝見すると、水温を記入してあり、イシダイは18度以下ではほとんど釣果がなく、15度以下ではそれらしきアタリすらない、と書かれてある。他の項目として、日時、釣り場、天候、満時、潮の流れ方、釣れた時刻と魚種、数、大きさなどを記録してあり、そのデータから釣り場についた時にその日の釣果の見当がつくようになったとのことだ。比して、師匠の魚拓は2、3枚しか見たことがない。

 師匠が自他ともに認める魚拓下手がこの絶好の記録手段を多用しなかったと思われる。釣り師である以上、上手に魚拓がとれればうれしいには違いないが、釣りの師弟は、その釣り姿まで似る。思わぬところで師匠の魚拓下手を受け継いでしまった私が、三十数年前、初めて75センチのコイの魚拓をとって師匠に見せた。「何をやっても自分より下手な人間がこの世におると思うと、妙に安心するなぁ」。

 ▽釣り人の矜持

 魚拓は日本独特の魚の記録法で、その進化は芸術の域に達しているものもある。また、渡船店の店内の天井まで貼られた近年の大物の釣果は、どんな看板より釣り人を引きつける。

 魚拓には、魚に直接墨を塗り布や紙に写し取る「直接法」と、魚に布や紙を載せて、上から墨や絵の具で色をつける「間接法」の二つの方法がある。直接法は細かい表現には向いていないが素朴な味わいがある。間接法は技術的に難しいが、色の使い分けが可能で細部の描写まで美しいものが製作できる。

 しかし魚拓には、私でさえ承知している厳然たるルールがある。それは目を書き入れる以外は一切の加筆は許されないことであるが、尻尾を5ミリ伸ばし、唇を5ミリ伸ばして筆を加えれば簡単に増寸ができるからであろう。昔から申し伝えられている釣り人の矜持(きょうじ)とも言える。

 驚くことに近年は、スマホやデジカメで撮影した魚の写真からネットで業者に依頼する「デジタル魚拓」なるものまで出現している、と聞く。黒一色からカラー魚拓まで自在にオーダーでき、落款までオプションでついているらしい。

 ▽庄内藩が発祥

 以前、庄内藩の釣りの歴史に触れることを書いたが、書き忘れていた。魚拓も庄内藩が発祥とされている。日本現存最古のものは、鶴岡市郷土資料館に展示されている9代藩主酒井忠発が参勤交代の江戸詰の際、錦糸堀で釣り上げた鮒(フナ)の魚拓とされている。

 私も郷土資料館で見たが、もちろん直接法で拓され、資料的な価値はあろうとも上手なものではなかった。魚拓の腕は、酒井忠発∧私∧師匠という順番。あまり意味のない比較と気が付いたところで、お後がよろしいようで…。

週末のイチオシ気配

 ■船(1)■鳥羽・三重

 石鏡沖の午前便でヒラメ好調。同魚30〜60センチ2〜7尾。活イワシのエサでマゴチ40センチ前後1〜3尾、マトウダイ30〜35センチ1〜3尾などもまじる。要予約。▽三幸丸=電話0599(32)5604

 ■船(2)■湯浅・和歌山

 確実な釣果を求めるなら日の沖のアジがオススメ。同魚28〜37センチ30〜50尾見込める。竿2.1〜2.4メートル、天秤80〜120号。要予約。▽玉市丸=電話0737(63)6424

 ■船(3)■田辺・和歌山

 田辺沖の深海釣りでキンメダイ狙い上向き。同魚30〜40センチ5〜15尾。他にジャンボクロムツ(40〜50センチ)1〜2尾まじる。要予約。▽海凰丸=090(6242)8507

 ■磯■周参見・和歌山

 水温15度でそろそろグレ限界。オオギシ島、カツオ島、ウス島、エビ島などで同魚30〜40センチ3〜6尾見込める。ムキエビ効果高い。▽岩元渡船=電話0739(55)2227

 ■波止■北港・大阪

 オキアミ使いのフカセ釣りによるチヌが型(40〜50センチ)もそろう。平均して2〜5尾。タナ6ヒロからベタ底。エビ撒き釣りは、シラサエビ在庫確認を。▽ヤザワ渡船=電話06(6573)7712

 ■釣り公園■尼崎・兵庫

 エビ撒き釣りでハネ好調。同魚35〜60センチ5〜10尾が連日の竿頭。タナ5ヒロからベタ底。内向き中央に釣果偏る。夕方は虫エサ有効。水温9度。▽公園事務所=電話06(6417)3000

 ■川■九頭龍川・福井

 2月1日に解禁したサクラマスが好調の兆し。解禁初日から確認できただけで4尾。福井大橋上流右岸で66センチ(3.0キロ)、新幹線下流右岸・前田道路対岸付近で65.1センチ(2.75キロ)、高屋橋上流左岸テトラで60.0センチ(2.45キロ)、高屋橋上流右岸テトラで54.7センチ(1.65キロ)など。年券6000円、日券1500円。▽越前FC=電話0776(22)1095

 (大阪日日APG 川※禎昭)

 ※は山竒