大森均の釣れ釣れ草

鯉のウキ釣り一筋20年

2018年5月18日

大阪工大前のワンドで50センチ

鯉の逸走に耐える津田さん

 淡水にすむ魚として鯉(コイ)ほど昔から日本人になじみの魚はない。「日本書紀」にもその記述があると聞くが、時代は下って上杉鷹山が食料として鯉を飼うことを奨励した話も広く知られている。また、現代でもお産の後に鯉を食べると母乳がよく出ると言う伝承は多くの日本人に受け入れられている。

 片や釣りの対象としての鯉は、まれに1メートルに及ぶものもいることから、身近で大物釣りのロマンを味わえると根強い人気がある。当然このサイズを狙うには専用竿(さお)にリールを使わなければ釣り上げることは難しい。

 もう一つの鯉釣りは、30センチから50センチまでのサイズをヘラブナ釣りのように古典的なウキ釣りスタイルで釣るが、もちろん、竿も糸もヘラブナのそれよりも一層丈夫な道具立てで挑むことになる。しかし、近年このスタイルの鯉釣り師はめっきり少なくなっている。

 ▽鯉の最長寸記録は119センチ

 江戸時代の文献、小林義兄の著した「湖魚考」という古書には寛政5年、琵琶湖で七尺(210センチ)の鯉が釣れたと書いてある。この類の記録は近年の管理されたものは信頼するに値するが、大昔のものは疑わしいものが多い。ありえないが、もし本当だとしても、当時の釣り具などの強度などを想像すれば、これは釣ったのではなく捕まえたと解した方が話に無理がない。

 信じるに足る記録では、数年前に草津市下寺町の琵琶湖岸で119センチが釣り上げられて記録が更新されている。この鯉を琵琶湖で行われている釣り大会に参加していた老人が1時間かけて取り込んだらしい。当然、海釣り大物用の竿にリールを使用して釣り上げた。

 ▽重戦車のような

 11日、門真市に住む津田不二男さんは、淀川左岸大阪工大前のワンドに釣り座を構えていた。自宅からバイクで30分のこの釣り場に週1回、20年近く鯉のウキ釣り一筋に通い続けている。この場所では、去年の5月に18尾の大釣りをして、8年前には水の中に入って金太郎のごとく鯉を抱えて取り込んだ71センチの自己記録があるという。

 午前9時に釣り始めた。「スレアタリ(魚が釣り糸に接触してウキが反応すること)が多く、魚が寄ってきているのになぜか口を使ってくれませんでした。3時間ほど一定間隔でエサの打ち返しを辛抱強く続けていると、ウキの目印の一節だけ押さえ込むようなアタリがありました」。

 その瞬間の場面から私も偶然見ていた。反射的に右手が天を突いた。その手に握られている竿は大きく弧を描き穂先は水面に突き刺さるような角度で絞り込まれている。リールで釣る鯉釣りでは同じサイズの魚でも瞬時に取り込めるが、ウキ釣りでのやりとりは、重戦車のような野鯉相手になんとスリリングなことか。手前に寄せてきても反転してまた沖に走る。

 そこで私が無理な注文を。「写真撮りますから、まだすくわんといて下さい!」。その後、なだめすかすようにようやくタモ入れした敵は、50センチジャストの立派な真鯉。その直後の2投目に38センチを、3時頃にヘラ鮒(ブナ)としては良型の33センチを追加した。

 50センチの鯉の逸走に耐える津田さんの釣り姿、とくと御覧あれ!

週末のイチオシ気配

 ■船(1)■鷹巣・福井

 鷹巣沖のマダイ堅調。潮によりブリ、ヒラマサ交じる。マダイ40〜60センチ5〜10尾、ブリ80センチ前後1〜2尾が平均釣果。要予約。▽アラタニ釣具店=電話0776(85)1604

 ■船(2)■阿尾・和歌山

 日の岬沖に出船して良型マアジが好調。連日、30〜42センチ30〜50尾が竿頭。竿釣り、天秤サビキ、ハリス3〜3.5号、鉄仮面120号。要予約。▽共栄丸=電話0738(64)2975

 ■船(3)■敦賀・福井

 敦賀沖の深夜便でムギイカが好調。ムギイカ30〜80パイ+マイカ10〜15ハイが竿頭。イカメタル15、オモリ60号。要予約。▽豊漁丸=電話0770(26)1160

 ■磯(1)■大引・和歌山

 フカセ釣りでマダイ期待。同魚40〜65センチ1〜2尾見込める。アシカの子が中でも有望。70センチ超が上がるので太仕掛けで。水温16〜17度。▽村井渡船=電話0738(65)1041

 ■磯(2)■尾鷲・三重

 チヌ絶好調。16日、割亀で同魚35〜44センチ9尾。ハリス2号、ウキ2B。エサはオキアミ。他にイガミ専門に狙えば30〜40センチ5尾前後。▽柴山渡船=電話0597(22)5566

 ■カセ■串本・和歌山

 マダイの大型期待できる。5月後半に70〜80センチ台の大型登場必至。天秤フカセ、完全フカセともハリス6号。エサはオキアミ。▽河田フィッシング=電話090(2709)9282

 ■波止(1)■大阪・大阪北港

 夢洲で落とし込みのチヌ型そろう。16日、今季最長56センチ登場。エサはイガイ。同釣り人は46〜56センチ4尾、他に45〜48センチ5尾など。▽ヤザワ渡船=電話06(6573)7712

 ■波止(2)■垂水一文字・兵庫

 グレのフカセ釣り上昇気配。これから梅雨にかけて本格化する。西側の外向きで20〜30センチをいい人は2桁の釣果が期待できる。▽船長丸=電話078(707)7181

 (大阪日日APG 川崎禎昭)