大森均の釣れ釣れ草

三重・長瀬太郎生川のアユ釣り

2018年6月15日
今年1尾目の立派なアユ
長瀬太郎生川

 アユ釣り師にとっての解禁日の期待は、尋常なものではない。それは、その釣りをしない人や釣りそのものをしない人たちからは、到底想像できないくらいの無邪気なものだ。

 30年ほど前、前夜祭と称して「今年のアユ釣りを占う」などのテーマで御堂筋沿いのイベント会場に出向いたことがある。解禁に向けて大西満名人をはじめとする名人たちが、各河川の生育状況や攻略法を語るこのイベントに満員になるほどファンが押し寄せる。解禁日までの我慢や期待をビルが立ち並ぶ都会の真ん中で共有しようとする熱気でムンムンしているから、なにやら滑稽な感じすらした記憶がある。

 ▽解禁日の場所の確保で遭難

 毎年、解禁日当日に笑えない話がある。数年前にあったニュースの概要はこうだ。

 「川の中州に、増水のため男性4人が取り残され、消防本部のレスキュー隊が川岸からロープを使って全員を救助した。その4人は57〜70歳で、全員けがはなかった。県警と消防本部の発表によると、解禁されるアユ釣りの場所を確保するため、中州にいたという」

 前日からの雨で増水することがわかっているのに、冷静な判断を欠き全国的なニュースを提供するハメになった。しかし、この釣り人たちの気持ちもちょっぴり理解できるから自分自身も恐ろしい。

 ▽追い星くっきりの初アユ

 9日、天理市の太田健一さんは、待ち焦がれた長瀬太郎生川の解禁日に勇んで出掛けた。和歌山などの有力河川は先月の26日に解禁しているが、この川の一般解禁日は2週間遅れ。釣り人の共通した心理は、成功体験のあるお気に入りの釣り場に通い詰めるという傾向がある。太田さんは「長瀬太郎命!」とおっしゃるほどこの川がお気に入りだ。

 なじみの釣具店でオトリを調達し、毎年決まったおなじみのポイントに向かった。竿(さお)が触れ合うと思えるほどの人、人、人。わずかに空いている場所を見つけ、とにかく釣り始めた。

 「オトリを流れの緩い場所から放してやると、スーッと流心めがけて走っていきました。かすかに尻尾を振って泳ぐのが見え少し大きめの石裏のヨレの中を通ったときにギラリ。その瞬間、ドンッ!ときました。幅広で白い口が大きい、胸からアゴにかけての追い星がくっきり出た20センチほどの今年の初アユをゲットしました」と、太田さんは語る。

 さらに「次は対岸の大きな石の手前へ新しいオトリを送り届けました。今度もドンッ!ときましたが、衝撃度は1尾目より大きかったですが、2尾目も同サイズでした」。こんな調子で午後4時まで16〜22センチを21尾とまずまずの釣果に、「この日を楽しみにして暮らしているようなものです」と、太田さんから満面の笑みがこぼれた。

週末のイチオシ気配

 ■船(1)■明石・兵庫

 マダコが上向き。連日、0.4〜2.5キロのマダコ25〜30パイ。今年は良型多そう。6月は火・水曜日が休業。要予約。▽名田屋乗合船=電話078(912)7211

 ■船(2)■三国・福井

 16日より玄達瀬解禁!ヒラマサ、マダイなど超大物で魚種多彩。全日コース午前5時から午後5時、半日コース午前5時から午後1時半。要予約。▽越前FC=電話0776(22)1095

 ■船(3)■家島・兵庫

 キス上昇一途。連日、船中同魚15〜25センチ15〜45尾。8月いっぱいまで尻上がりに良くなるはず。エサは石ゴカイ。要予約。▽山本丸=電話079(326)0238

 ■船(4)■印南・和歌山

 イサギ好調。同魚27〜38センチ50〜80尾が連日の竿頭。船頭仕掛けの手釣りで。ハリス3号、テンビン4本針、オモリ100号。要予約。▽仲政丸=電話0738(24)1844

 ■磯■尾鷲・三重

 梅雨グレ本番。この時期の荒れた日の内磯は、尾鷲のヒットパターン。全天候型の尾鷲は逃げる場所があるのでオススメ。グレ40センチ超1〜3尾期待できる。▽宮城野渡船=電話090(2186)3313

 ■ボート■由良・和歌山

 キス好調。13日、キス12〜25センチ47尾とチャリコ16〜18センチ5尾。サオ2メートル前後、針8号、オモリ10〜20号。エサは石ゴカイ。▽尾張屋=電話0738(65)1006

 ■波止■垂水一文字・兵庫

 グレのフカセ釣り絶好調。これからさらに釣果安定する。西側の外向きで22センチ〜30センチを2桁釣果は間違いない。▽船長丸=電話078(707)7181

 ■投げ■妻鹿・兵庫

 投げ釣りでキス期待。7番灯台付近で同魚15〜22センチ10尾前後にカレイ25〜30センチ1〜2尾交じる。エサは石ゴカイ、青イソメ。▽日の出渡船=電話0792(46)3030

 (大阪日日APG 川※禎昭)

 ※は山ヘンに竒