大森均の釣れ釣れ草

第30回 大西満杯争奪鮎友釣り大会

2018年6月22日
(左から)2位の大岩一彦、優勝の船越寛継、3位の有福一郎の各選手

 企業が知名度のさらなる向上のためにゴルフ、野球、競馬、各種スポーツ大会などに資金提供を行うことは当たり前のように目にする。日本では「デサント陸上」と言われる陸上競技大会に、スポーツウエアの大手が5千万円を負担したことが始まりで、アマチュアの冠大会が急増したと聞く。40年ほど前のことだったと言うから思いの外、最近のことだ。スポーツの清廉さをイメージに結びつけたい企業、視聴率を得たいメディア、広告料収入の増加を期待する広告代理店などの利益が一致する中で一体化したのであろう。

 釣りの世界にはあるのか? もちろんある。しかし、これは大手メーカーが釣り具の販売促進を第一義的にした直線的に売り上げにつながる「○○磯釣り選手権」「○○アユ釣りCAP」というものがほとんどで、卓球の「荻村杯」のように競技発展の功労者、歴史的な偉業を残した個人の名前を冠したものはない。

 少なくとも釣りの世界では私の知る限り一つだけだ。6月17日、その「第30回大西満杯争奪鮎友釣り大会」(主催・日南の水を守る会)が鳥取県日野郡に流れる日野川で開催された。

 ▽率直な情熱を大西名人に

 『このままでは日野川が死んでしまう』。日野川の源流域で釣りを楽しむ「釣り連絡協議会」の青年たちが立ち上がったのは、年号が平成と変わる前年だった。清流が周辺住民のごみ捨て場のようになり、アユの姿が消えていくことに危機感を持った青年たちは、最も著名なアユ釣り師であり、水質保全や河川保護に高い見識を持つ「大西満」の講演会を催そうと考えた。

 「この時に講演料を頂いたのですが、こんな純粋な気持ちで活動している人たちからもらうわけにはいきません。それを活動の一助にして、とお返ししたことが始まりでした」と大西さんは語る。青年たちはその資金を意味あるものにしようと、大西名人の名を冠したアユ釣り大会を通して日野川を知ってもらおうと企画した。

 その後の青年たちの行動はすばやかった。まず、釣り人以外にも輪を広げようと「釣り連絡協議会」を「日南の水を守る会」に改称。次の日の夜、早速、大阪の大西名人を訪ねた。趣意は伝えてあるが、強引な訪問が吉と出るか凶と出るか。とにかく、自分たちの率直な情熱を4人の青年は大西名人にぶつけて…。そんなドラマがこの大会のスタートだった。

 ▽川は生き返る

 当日の参加者は70人。腕自慢のアユ釣り師が集まり、日頃の腕を競い合った。「30回を迎えたこの大会ですが、開催した当初は河原にカップ麺の容器やプラスチックごみがあちらこちらに落ちていました。当時、釣れたアユも食べたいと思いませんでした。しかし、関係者の努力のおかげで確実に川は生き返ってきました」と、大西名人は開会のあいさつをした。

 当コラムで「気配」を輪番で担当するAPGの松田勝也さんも大阪から参加。「かつての話は、目の前に見えるこの清流の日野川からはとても想像できません。関係者の粘り強い活動が実を結んだ結果でしょう」と松田さん。

 競技開始と同時に川のあちらこちらで、次々と若アユが選手のタモに吸い込まれた。この日は和気あいあいの笑いあふれる一日となった。

週末のイチオシ気配

 ■船(1)■高巣港・福井

 16日に解禁した玄達瀬で18日、2人連れがヒラマサ80〜90センチ6尾とワラサ2尾、マダイ70〜73センチ3尾、ブレ30〜45センチ26尾など魚種多彩。要予約。▽アラタニ釣具店=電話0776(85)1604

 ■船(2)■田辺・和歌山

 深海釣りのキンメダイ堅調。同魚30〜40センチ10〜30尾見込める。深海用貸電動リールと仕掛けあり。エサはイカの短冊、サバの切り身。要予約。▽海凰丸=電話090(6242)8507

 ■船(3)■敦賀・福井

 スルメイカ爆釣。18日、敦賀沖の深夜便で18〜25センチ179ハイ。他にマダイ5尾。浮きスッテ2.5号5本針、オモリ60号。要予約。▽豊漁丸=電話0770(26)1160

 ■磯■大引・和歌山

 グレ動き活発。アシカの子で同魚28〜32センチ8尾、他にイサギ3尾、マダイ3尾。フカセ釣り、タナ3ヒロ。エサはオキアミボイル。水温21度。▽村井渡船=電話0738(65)1041

 ■筏■栖原・和歌山

 19日、五目筏のヌカ切り釣法でグレ17〜33センチ19尾。マタギ筏のかかり釣りでチヌ33〜37センチ3尾。五目筏は小鯖が多く一工夫が必要。▽かるも丸=電話0737(62)3527

 ■波止(1)■北港・大阪

 エビ撒き釣りでハネ好調。19日、同魚40〜62センチ7尾とキビレ20〜41センチ6尾。他に落とし込みのチヌ52センチ登場。▽ヤザワ渡船=電話06(6573)7712

 ■波止(2)■岸和田一文字・大阪

 飛ばしサビキでアジの良型が沖一文字北で釣れている。数は20〜30尾程度も20センチ超の良型が出てお土産は間違いない。▽岸和田渡船=電話072(436)3949

 ■アユ■長瀬太郎生川・三重

 追い活発。糀屋橋上流で15〜21センチ20尾。細糸の引き泳がせで波立ちや早瀬を中心に狙ったとのこと。竿9メートル、水中糸0.175号、一角6.5号3本錨。▽あたらしオトリ店=電話090(5109)6482

 (大阪日日APG 錦 剛司)