大森均の釣れ釣れ草

釣り狂い 「釣り好きにもほどがある」

2018年8月10日
この瞬間のために往復1400キロを走る

 釣りの趣味も半世紀に及ぶとさまざまな釣友に出会う。中に、「これは普通ではない!」と、その行動や考え方が常軌を逸している人にも多く出会った。また、それが妙な刺激になったりするから私もその入り口に立っているのかも知れないが…。

 全国的に名の知られた名人たちには、滑稽な一致点がある。その傾斜ぶりに妻たちがサジを投げている。とも見えるし、山内一豊の妻にも見える。

 亭主は家庭サービスなどそっちのけで週末は決まって海や川に出かける。自分は、家計をやりくりし、欲しい洋服も我慢しているのに、交通費や餌代など相当の経費をかけて釣行に及んでいることは間違いないと想像できる。耐えているのか、慣らされているのかは定かでないが「奥さんはどう思っているの?」と、その一人に質問したことがある。

 「ほれた亭主が機嫌よく好きなことに没頭してる。喜んでること間違いない!」

 これは救い難い。

 ▽釣りに不都合が生じる

 このレベルの人たちの共通点は、仕事で出世しようなどとはつゆほどにも考えていない。家庭生活においても、普通であればいいと考えている。しかし、釣りに関しては妥協を許さない恐ろしいまでの完璧主義者たちである。

 全国的に名の知られた徳島の名人は、大手上場企業に勤める間に幾度も転勤を勧められたが、「出世なんかしとうない。徳島から離れたら釣りに不都合が生じる」と昂然と拒否。一般の常識では考えにくいが、仕事より釣りが大事という明快な筋の通り方(?)が名人レベルに多いから笑えない。

 ▽城島ファンは落胆

 本人が気付いていないが、釣り狂いが高じて人生が変わってしまった、と言うこともある。例えば、阪神とソフトバンクに在籍した城島健司などはわかりやすい。あれほどの選手なら引退後は監督、コーチ、解説者に引く手あまたのはずだ。

 城島の釣り好きは以前から知られている。引退してすぐに釣りのメディアに頻繁に登場したらしい。38歳にして余生を楽しむかのような釣りざんまいの城島に地元メディアが触手を伸ばしたということは容易に想像がつく。「城島健司のJ的な釣りテレビ」という冠番組をもつほどで、九州地区では人気の番組だという。

 車の中は釣り道具だらけ、釣った魚をつまみに晩酌し、翌日の釣りの用意をしてから寝るらしい。バットを竿(さお)に持ち替えて仕事のように釣り場に通っている。野球選手としての城島ファンは、テレビから流れる釣り姿を見て「こんな楽しそうなら球界から誘われたって戻るわけないなぁ」と、落胆していると聞く。

 ▽バケ物のような78歳

 結婚前から、嫁と趣味を共有すると都合がいいと戦略的に引きずり込むKさん。この猛暑の中、片道4時間かけて徳島から四万十まで鮎釣りに行く66歳のEさん。名古屋から正月休みに四国の最西南端の高知県柏島まで往復1400キロを大渋滞の中磯釣りに出かけるTさん。最低、週に2〜3日は自分で車を運転して近畿一円の釣り場に通うバケ物のような78歳のOさん。

 これらの人たち以外にも「狂」の付く釣り師たちに多く出会ってきたが、前出のEさんが、Oさんのことを「よう、あれだけ釣りに行くなぁ。釣り好きにもほどがある」と、あきれるように言うのを聞いた。私のような凡人釣り師から見れば、五十歩百歩で「どの口が言うてんねん」と思うが、このレベルになると、それはそれでどちらが百歩かは区別がつくらしい。

週末のイチオシ気配

 ■船(1)■谷川・大阪

 淡路沖タチウオ釣れ出した。75〜115センチとサイズ的にはバラつきがあるが、序盤としてはまずまず。8日、同魚75〜95センチ17尾が竿頭。タチウオテンヤ40号。要予約。▽おおせき丸=電話072(429)1251

 ■船(2)■東二見・明石

 型が大きくなった。連日0.3〜2.5キロ20〜300パイが竿頭。タコテンヤにエサはイワシ、又はタコエギ。要予約。▽西海丸=電話078(942)6480

 ■船(3)■鷹巣・福井

 玄達瀬にヒラマサ堅調。同魚50〜70センチ10〜15尾とグレ35〜50センチ2〜5尾など魚種多彩。今シーズンも14日まで。ラストチャンス。要予約。▽アラタニ釣具店=電話0776(85)1604

 ■磯■尾鷲・三重

 半夜釣り(正午〜午後6時半)でグレ大型期待できる。40センチ台前半は日によって3〜4尾出る。特に中潮・大潮の込み潮が期待できる。他に外道で丸ハゲ数尾。▽宮城野渡船=電話0597(2)1347

 ■筏■本浦・三重

 7日、筏でチヌ29〜40センチ14尾(サナギ&コーン)。40センチオーバーが連日あがり、好調持続。午前中に釣果偏る。オキアミでは型が小さい(30センチ前後)が、アケミやボケは大型の傾向。▽やま栄渡船=電話0599(32)6009

 ■波止(1)■垂水一文字・神戸

 グレが好調。24〜28センチが20尾程度見込める。エサはネリエ(パン粉主体)か石ゴカイ。ガシラは探り釣りで18〜25センチ平均20尾程度。エサはシラサエビ、サンマ切り身。水曜定休。▽船長丸=電話078(707)7181

 ■波止(2)■武庫川一文字・兵庫

 小アジの群れがまわっている。夏休みのファミリーフィッシングにイチオシ。平均釣果は15〜18センチが30〜60尾。ハリス1号、サビキ7号、オモリ15号でエサはアミエビで。▽武庫川渡船=電話06(6430)6519

 ■管理釣り場■朽木・滋賀

 10日、ルアー専用区で25〜52センチのニジマスを12尾とヤマメ23〜32センチ6尾。エサ釣りではニジマス20センチ前後が15〜20尾。▽朽木渓流魚センター=電話0740(38)5034

 (大阪日日APG 川崎禎昭)