大森均の釣れ釣れ草

五島のチヌ 考えることが上達に通じる

2018年10月12日
玉之浦の入り口にある井持浦教会(翔龍丸提供)

 釣れないのには、理由がある。釣技はともかく、釣れている釣り場に行くことが最も肝心であるが、情報の解釈が間違っている人が多い。スポーツ紙の釣況欄を見て出かけたのにまったく釣れなかったということはよくある。よくあるどころかほとんどそうだ、という釣り人が多い。

 海釣りの場合、潮回りは2週間を経て同じ潮が回ってくる。釣れている潮の日を参考に釣行におよんでも、2週間後なら同じ釣果を期待できるが、人間の都合で1週間後なら反対になる。月曜日に喫茶店で読んだ新聞に「爆釣!」と書いてあったので次の日曜日に出かけてサッパリだった、と言うのはこのケースだ。

 何より釣れない一番の要因は、釣りにおける事象など、理屈にあった解釈や疑いをしていない。「今日は魚がいない」などと、その原因を求めようとしない人も釣り人には多い。これでは釣れない。

 ▽深くなるほど色彩を失う

 「黄色の糸は魚が嫌がる」「あの魚は眼がいい」などとよく聞くが、その薄そうな根拠に「視力検査したん?」と思わず皮肉を言いたくなるが、きわめて人間的な捉え方で魚の視覚や嗅覚、聴覚を論じる釣り人が多い。

 魚に色が見分けられるか?という疑問は、学術的にはある程度の結論が出ている。魚の種類でも違うが、フナや金魚より海の魚に色彩の弁別ができるものが多いらしい。しかし、光の届かない深い海ではどうか?と考えると、空中で人間の眼には目立つ黄色や赤色は、水中では深くなるほど黒ずんでしまって色彩を失い統一される。そこまで考えがおよぶ人は釣れる。

 ▽名人ですら間違う

 要するに、私はあらゆる釣りのシーンで疑うこと、考えることが上達に通じる共通項だと信じている。

 20年近く前、フィッシングショーでかかり釣りの名人Sさんの釣り教室、佳境の場面に出くわした。「30センチ穂先を潮下に平行移動することが大切なんです。その誘いが有効なのです。着底しているエサも横に移動しますから、チヌが我慢できずに食いつきます」と、自信たっぷり。

 これは、間違っている。物理的にありえない。水中の粘度は空気中の数十倍ある。空気中で30センチ穂先を移動しても20メートル下に着底しているハリとエサは上にフワッと持ち上がるだけ。名人ですらこんな間違いを犯している。

 ▽演歌を聞いたら喰う

 非科学的、ナンセンスな話をひとつ。

 私のお気に入り、五島列島・福江島にある玉之浦は空港や港がある中心地からは車で50分、途中の曲がりくねった道路は玉之浦湾をなめるように沿って走っている。点在している集落の高齢者のライフラインの要、食料品の供給はマイクロバスの移動スーパーが担っている。この移動スーパーが集落付近に来たこと知らせるためにド演歌をスピーカーで流し、到着を告げて走る。はるか向こうの岬を進んでいるのが釣りの最中にも聞き取れるほどの大音量で。

 「大森さん、この辺りのチヌはあの山内恵介の『瀬戸内最終便』を聞いたら喰(く)います。ホントですって」と真顔で言う。釣りの時合いは朝マズメと夕マズメ。いつも夕暮れ近い決まった時間帯にやって来る移動スーパーから流れるド演歌とは何の関係もないように思えるが…。そんなアホな。

週末のイチオシ気配

■船(1)■南部堺・和歌山

 マダイ好調。10日、南部沖に出て同魚25〜54センチを31尾。テンビンズボ釣り。ハリス5号2本バリ。要予約。▽純栄丸=電話0739(72)5353

■船(2)■加太・和歌山

 カワハギ15〜25センチが20〜30尾期待できる。他にタイラバ便ではマダイ40〜60センチが1〜3尾。タチウオ便も75〜100センチ5〜20尾。対象魚の出船確認必要。要予約。▽三邦丸=電話050(3532)9619

■船(3)■鷹巣・福井

 鷹巣沖夜便でメジロ好調。同魚60〜75センチ一人平均10〜20尾。9日、夜便で3人連れが同魚60〜72センチ77尾!持参した大型クーラ満タン続出。胴突き5本針で。オモリ200号。要予約。▽越前Fセンター=電話0776(22)1095

■磯■大引・和歌山

 カゴ釣りでイサギ堅調。10日、ヒジキでイサギ28〜35センチ12尾。底物は、連日釣果あり、小型のアタリは頻繁。エサはウニ。水温24〜25度。▽村井渡船=電話0738(65)1041

■磯■中紀由良・和歌山

 アリ島で底物気配。10日、イシダイ37〜56センチ2尾とイシガキ45センチ1尾。もう一人は、イシダイ25〜42センチ3尾。▽佐知丸=電話0738(65)0736

■筏■本浦・三重

 9日、筏で33〜43センチ8尾(サナギ・コーン)。エサ取りのヘダイ、ボラ、アイゴ、チャリコなどの活性は高い。対策必要。▽やま栄渡船=電話0599(32)6009

■投げ■垂水西舞子海岸・兵庫

 今年は、須磨から明石にかけてカレイ第一波接岸が早い模様。20〜25センチのマコガレイが主体であろうが、40センチ級の一発が期待できる。▽まるは垂水店=電話078(705)0841

■波止■南港・大阪

 関電波止の呑せ釣りでメジロ絶好調。10日、同魚65〜67センチ6尾とハマチ45センチ前後2尾とサゴシ56〜57センチ2尾。▽丸高渡船=電話06(6613)1075

 (大阪日日APG 錦 剛司)



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