金井啓子の現代進行形

総選挙でなぜ府議会が休会?

2017年10月5日

地方の問題が置き去りに

 大阪に住んでいる私は、大阪府や大阪市、勤務先の大学がある東大阪市と八尾市など、この地域の地方自治体がどのように運営されていくのか、いつも気になって仕方ない。それと同時に、そういった地方自治体のトップである知事や市長、そして議会でさまざまなことを決めてくれている議員の人たちの仕事ぶりにも注目している。

 近頃は首長、議員の人たちがネットで情報発信するケースも多い。たとえばツイッターで発信している内容を見ていると、彼らがいまどんなことを考え、どのような活動をしているのかなどがよくわかるので、そういった情報発信は便利に活用している。

 さて、突然降って湧いたような話だった衆議院選挙の投開票日まで、あと2週間余りとなった。彼らがネットで発信する内容にも選挙に関連したものが多くなってきた。言うまでもないが、今回行われるのは国政選挙であって、地方自治体のトップや地方議会のメンバーである彼ら自身の選挙ではない。とはいえ、所属政党から出馬する仲間たちのゆくえが気になってさまざまな活動を行うのは、ある程度やむを得ないこととも言えるだろう。

 しかしながら、驚いたし疑問にも感じるのは、総選挙終了まで大阪府議会が休会となったことである。府議会の議会運営委員会で議会日程の変更が提案され、これに維新と公明が賛成。自民は反対したが衆院選中の休会が決まった。日程変更の理由は明らかにはされなかったが、背景に衆院選があったのは誰の目にも明らかだったという。

 本来、国政と地方は全く別物である。国政で扱う分野と地方議会が扱うそれとは内容も次元も別という理由がまずあるが、それに加えて、地方自治や地方分権の趣旨からいっても別物でなくてはならないはずだ。国で憲法改正や安全保障の議論をしても、地方では住民サービスや地域の活性化など地方固有の問題を扱うものなのだ。したがって、大阪府議会のように衆院選の日程により一時的にせよ議会が休会するのは本末転倒というほかはない。これでは地方議会などは国の下請け、地方議員は国会議員やその候補者のもとで下働きをする人にしか過ぎなくなってしまうではないか。

 私は日本に住んでいる。と同時に、大阪府内にも居所を構えている。国の選挙も大切だが、多くの大阪府民と同様に私にとって地元も同じくらいに大切なのだ。

 今月10日から始まる選挙戦で地方議員が国政選挙に駆り出される事情はわかる。党勢の拡大のためには仕方がないのかもしれない。ただ、地元で選ばれた議員なら、せめて最低限の務めとして議会くらいはまともに機能させてはどうなのか。「地方が大事」と言いながら、地方をおざなりにしている地方議員がいるとしたら、住民にとっては迷惑なだけである。

 (近畿大学総合社会学部教授)