金井啓子の現代進行形

母校の誇りを胸にメディア界へ

2017年12月14日

近大に校友会マスコミ支部誕生

 私の母校ではない高校や大学に通った知人から、「私は◯◯大学卒なんですよ」とか「僕は△△高校出身なんだよね」と繰り返し言われて戸惑うことが時々ある。ある学校を卒業したことを誇りにしている人に対して、その学校を知らない私が適当に聞き流していたら実はその人は褒めてほしかったらしく、なんとも言えない雰囲気になったこともあった。

 しかし、だからといって、それぞれの人が通った学校に対して持つ愛着が理解できないわけではない。むしろよくわかる。ことに、同じ学校に通った人たちとのつながりは格別だ。私だって、小中高そして大学で同じ時間を過ごした人たちとは定期的に会うほど、そのつながりを大切にしている。いや、たとえ同じ学年だったり同じ時期に通ったのではなく、時には数十年の時を経た先輩や後輩であったとしても、深い親しみを感じたりする。

 私の母校は東京にあるのだが、同窓会支部が関西にもあってその食事会に参加した時に、私より20年も30年も前に学んだ先輩たちに初めて出会い、なつかしい校舎の話で盛り上がりながら「同窓生はなんとなく似たような雰囲気を身にまとっているなあ」などと、根拠はないのにやたらはっきりとした感想を抱いたりもした。

 ところでつい先日、私が勤務している近畿大学では、マスコミ関係の卒業生で組織された校友会マスコミ支部が発足した。近大の卒業生は51万人余り。そして校友会の支部は、地域ごとのものや職業別、所属する会社・団体ごとのものをあわせてこれまでに173あり、マスコミ支部は174番目に誕生した。

 私は近大の卒業生ではないが、メディアの世界に向かう学生を後押しする教員の立場から一員に加えてもらっていて、その世界を目指して勉強している在校生たちとともに交流会に参加し、卒業生によるパネルディスカッションも聞かせてもらった。

 これまでメディアの業界で働く卒業生がそれほど多くなかった近大だが、ようやくこんな組織を作れるところまできた。いまの4年生の中にはメディア関係の企業から内定をもらって来年4月からはこの校友会に参加できる資格を得ている人たちもいる。とはいえ会員数はまだまだ少ない。こういう会が生まれたことを知らずにメディアの仕事をしている卒業生にはその存在を知ってほしい。また、在校生には、メディア業界に憧れつつも、就活における競争の激しさや業界の先行きの不透明さに圧倒されて諦めてしまうことなく、先輩たちの背中を追いかけて追いついてほしいとも思う。

 自分が卒業した学校への愛着が強すぎるあまりに排他的になることは望ましくない。だが、せっかく手にした縁である。そのつながりを励ましや力に変えながら、仕事に励むのも悪くないのではないだろうか。

 (近畿大学総合社会学部教授)



サイト内検索