大阪ヒト元気録

人と人、町をつなげたい

「LLP YUI企画」代表
山田 重昭さん
2013年8月14日

和の文化や町並み地域の魅力を発信

地域の魅力を「気付かせる」ことが町おこしの第一歩と語る山田さん

 住吉区を中心に文化の発信や地域のにぎわいづくりに取り組む「LLP YUI企画」(住吉区帝塚山西4丁目)の代表者。まち歩き・まち遊びイベント「大阪あそ歩」のガイドや「大阪ちん電バル」実行委の事務局長などを務めながら、「人と人。そして町をつなげていくことが私たちの役目」と献身する。

■社会性求め

 今から約13年前。チェーンストアなどのコンサルタント業で全国の各都市を行き来する生活を送る中、画一的な店づくりへの疑問と、“シャッター街”化していく各地の商店街の姿に「にぎわっていた当時の様子が目に浮かぶ。このままでいいのか」。自ら起こした会社をたたみ、故郷の大阪に戻ってきた。

 「社会性のあることを」。効率や利益を優先したこれまでの考え方から地域性を重視した活動を探すため、親族が経営する町工場で働きながら起業塾や各種セミナーに足しげく参加。ようやく8年前に意気投合した計8人でイベントなどを企画する団体を立ち上げた。

 町おこしイベントなどを行う傍ら合格率わずか数%しかない大阪検定の1級にも合格。大阪市や大阪商工会議所らで構成する大阪コミュニティ・ツーリズム推進連絡協議会が主催する大阪あそ歩にもプレイベントの段階からガイドとして参加している。

■気付いてもらう

 「何かやっている、という光景を見てもらうことで地域の人らに魅力に気付いてもらうことが大切」。参加してもらう以上にイベントがもたらす隠れた効果を訴える。

 例えば住吉大社。毎年多くの初詣客らが訪れる神社として有名だが、神社東側を走る熊野街道と交差する磯歯道(しはつみち)は住吉街道とも呼ばれ、神社の生い立ちなどとともに日本書紀に登場しているにもかかわらず、「地元の人は生活の一部として触れているから意外に知らない人もいる」と指摘。今のように交通や情報網が発達していない中でも全国から多くの参拝者が集まってきた。「神社や仏閣はいわゆるテーマパーク。建物を中心に独特の文化や町並みが築かれていった証し」と魅力を語る。

 「住吉は和風文化を体験できる貴重な場所」との主張を裏付けるように、近年はうれしい変化も。古民家や町家を改装した飲食店を出店する若者が増えてきた。「若い人は『和』に対して強い関心を持っている。こうした動きが広まっていけば地域はもっと元気が出る」と多忙な毎日を送る。

 ○…取材後、住吉大社周辺を散策した。町家を改装したカフェでは出店したオーナーの地域への熱意に当てられ、昼食で入った食堂では味だけでなく家庭的な雰囲気に心を癒やされた。あっという間のプチまち歩き。地元の人からすれば何げない光景だろうが、山田さんの言う「昔ながらの古い町並み」。確かに魅力的だった。

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