大阪ヒト元気録

4年間で利用者倍増

今月末で退職する東住吉区老人福祉センター館長  
植田正明さん
2014年3月26日

多方面にアンテナ 人気イベント次々

館長として4年間勤めた東住吉区老人福祉センターを今月末で退職する植田さん

 「やりたいこといっぱいあるんですよ」。膨らむ構想を抱えた植田正明さん(63)は、ちょっといたずらっぽい目をする。東住吉区老人福祉センターの館長として、高齢者の暮らしに有益な情報を提供しようと、多方面にアンテナを張りめぐらしてイベントや行事の“ネタ探し”に奔走した4年間。定年を迎え、今月末で退職する。

■自ら交渉

 大阪市の福祉職員として37年間働いた後、2010年に同センター館長に就任。「よそよりもいろんなことをしたい」と負けん気の強さと妥協しない性格で、新たな試みに挑戦してきた。

 年末恒例の防災関連講座では、女子レスリング選手によるオリジナル体操で知られる警備会社に講師を依頼。経験がないからと渋る相手に、「外出時の注意点の説明や体操を披露してみてはどうか」などと提案を続け、半年間の交渉を経て実現させた。

 「こじ開けるように窓を開けた」と話すその表情は晴れやか。

 「自分で探して交渉する」

 貫いてきた姿勢だ。

■喜びが支え

 利用者に喜んでもらうためには、時間も労力もいとわない。イベント前には必ずステージに立ち、小話を始める。カラオケ大会の歌集は手作りし、イベントで使う効果音は自ら編集する。

 休日に作業をすることもあったが、「楽しんでもらうためには常に工夫。喜びの声に支えられている」と相好を崩す。

 アマチュア落語家による「センター寄席」や歌声喫茶を再現した「歌声ひろば」など次々と人気イベントを生み出し、年間に行う行事は80以上と市内の老人福祉センターでは「数では負けない」ほど。年間利用者数はこの4年間で約2倍に増え、延べ5万人以上となった。

 館長の役から離れる今後は、「就活よりも婚活」と生涯のパートナー探しに力を入れるつもりだ。

 ○…昨夏、植田さんにゴーヤーの種を分けてもらったのを機に初のプランター栽培に挑戦。これといって趣味がない記者にとっては成長の早いゴーヤーを観察するのが楽しかった。そのプランターで現在、菜の花が黄色い花を咲かせている。目にするたびに、日々のささやかな楽しみをくれた植田さんの顔が浮かぶ。

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