記者が選ぶ なにわこの1年

 2017年もさまざまな出来事が大阪を駆け巡った。政治から経済、スポーツに至るまで各界で印象に残ったニュースが数多くある。それぞれの話題を追った担当記者が、改めてニュースと共にこの1年を振り返る。

(1)風雲急告げた衆院選

2017年12月21日

自民勢い 維新減速 都構想進展見通せず

衆院選で応援のマイクを握る安倍晋三首相(中央)と、大阪4区の自民・中山氏(右)=10月16日、大阪市北区

 「子どもたちに、どんな日本を受け継がせてあげるかを考えないといけない」−。10月22日に投開票が行われた衆院選。大阪4区で当選を果たした自民党前職、当時府連会長だった中山泰秀氏は「当選確実」の報を受け、決意を口にした。選挙事務所に集まった支援者らは中山コールで出迎え、万歳で喜びを分かち合った。

■明暗分ける

 大阪府内19小選挙区は、自民が10議席を獲得して大勝し、比例近畿ブロックでも9議席を得た。一方、大阪が本拠地の日本維新の会は、小選挙区で3議席、比例近畿では5議席にとどまり、減速は否めず、明暗を分けた。

 発信力の高い橋下徹前代表の不在に加え、次々と新党が誕生して、新鮮さが薄れてきたことが背景にあり、思わぬ逆風が吹いた。

 9月にあった堺市長選では、大阪維新の会の候補が落選し、10月の神戸市長選では日本維新の推薦候補が敗れた。敗北が続く中で挑んだ国政選挙でも思うように結果が出ず、伸び悩みが表面化している状況だ。

 維新代表の松井一郎知事は、来年秋に大阪都構想の可否を問う2度目の住民投票の実施にこぎ着けようと意欲を見せる。しかし、維新は府議会と大阪市議会でも単独で過半数を占めておらず、公明党の協力が不可欠となるだけに、実現の行方は見通せない状況だ。

■投票率戦後最低

 衆院選では、公明が議席を持つ4選挙区は全て公明が死守。また、新党の立憲民主が政権批判の受け皿の役割を果たし、小選挙区は10区の辻元清美氏だけの当選だったが、比例近畿で5人が復活当選した。一方、共産は野党共闘を掲げて一部の選挙区で立憲に候補者を一本化するなどしたが、小選挙区で議席を獲得できなかった。

 投票率は戦後最低の前回(50・67%)を2・28ポイント下回り、48・39%に落ち込んだ。投票日は台風接近による降雨の影響などもあったが、国政課題が山積する中、有権者の政治への関心の高まりが求められる。

その後の活動こそ注視を
 ○…選挙では有権者の1票が候補者の当落を決め、ひいては日本の未来を決めることになる。投票に行くことの大切さは言うまでもない。ある政党の候補を応援していたという女性は選挙後に「これからもつながりを持って、こちらの意見を伝えていきたい」と話していた。投票に行って「終わり」だと思ってしまいがちだが、自分が票を投じた候補や政党のその後の活動を見ていくことも、未来のためには重要だ。