記者が選ぶ なにわこの1年

 2017年もさまざまな出来事が大阪を駆け巡った。政治から経済、スポーツに至るまで各界で印象に残ったニュースが数多くある。それぞれの話題を追った担当記者が、改めてニュースと共にこの1年を振り返る。

(2)ホテル建設ラッシュ

2017年12月22日
ハイブランドホテルや体験、宿泊特化型ホテルなどが市内に続々と誕生(コラージュ)

 インバウンド(訪日外国人客)需要を受け、今年も大阪市内には多くのホテルがオープンした。東京五輪に向けた開業計画も次々と発表され、建設ラッシュは依然として続く。

■初進出や客室増

 コンラッド・ホテルズ&リゾーツは6月、北区に誕生した中之島フェスティバルタワーの高層階にコンラッド大阪を開業。国内では東京に次ぐ2軒目で、ロビーを最上階の40階に配置し、抜群の眺望を誇る。

 リーガロイヤルホテルは、来年3月にかけて客室数を58室増やす。総客室数は1042室となり、市内のホテルとしては最大客室数。ヒルトン大阪はレストランや宴会場など、3フロアにわたって大規模改装に着手し、客室も35室追加する。

 11月には香港の旅行大手EGLツアーズが、恵美須町に「大阪逸(ひ)の彩(で)ホテル」をオープン。アパホテルやホテル京阪、カンデオホテルズなどビジネス使用の施設も続々と開業した。

■体験型に特化

 高級カプセルホテルを運営するファーストキャビン(東京)は、3月に「ファーストキャビン関西空港」、10月に「ファーストキャビンステーションあべの荘」と「ファーストキャビン阪神西梅田」を相次いで開業。JR西日本や阪神電鉄と提携し、大阪での展開を加速させた。

 和空プロジェクト(大阪市北区)と積水ハウス(同)は、神社やお寺の参拝者に向けた宿泊施設の創生事業第1弾として「和空下寺町」(天王寺区)を4月に開業。宿泊者に精進料理や写経・写仏、近隣寺院での護摩焚(だ)きなどの宿坊文化体験を提供している。

■万博誘致に期待

 来年以降の建設計画も相次ぎ発表されており、今後の業界はさらに熱を帯びる。来年にはオリックス不動産がユニバーサル・スタジオ・ジャパンの近くに開設。JR西はグランフロント大阪の東隣、南海電鉄は浪速区の鉄道高架下、エイチ・アイ・エスグループは中央区にロボットが接客する「変なホテル」を、それぞれ計画している。

 1月に営業を終えるホテル大阪ベイタワー(港区)は3月から運営会社が変わり、「アートホテル大阪ベイタワー」として刷新する。

 梅田のヨドバシカメラ横に建設中の複合商業ビルには19年にホテルが入居。20年にはパレスホテルが堂島に、ロイヤルパークホテルズアンドリゾーツが御堂筋沿いに、関電不動産開発が堂島浜にと続々開業予定だ。昨年12月に閉館した堂島ホテルは新しく建て替わる。新今宮駅近くに「星野リゾート」(長野県)の進出も発表された。

 東京五輪に加え、誘致がかなえば25年の国際博覧会(万博)で各ホテルの成長が期待される。

ソフト面の仕掛け必要
 観光客を迎えるためのハード整備が急ピッチで進むが、それと並行して、インバウンドを“減らさない”ソフト面での仕掛けも必要だ。両面一体化した「和空下寺町」のような取り組みを、他ジャンルで模索するのも面白い。大阪の住人でも泊まりたくなるようなホテルの登場を待ちたい。