記者が選ぶ なにわこの1年

 2017年もさまざまな出来事が大阪を駆け巡った。政治から経済、スポーツに至るまで各界で印象に残ったニュースが数多くある。それぞれの話題を追った担当記者が、改めてニュースと共にこの1年を振り返る。

(5)大阪桐蔭VS履正社

2017年12月25日
プロ野球ロッテへの入団が決まり、ポーズをとる履正社の安田尚憲内野手

 4月1日。「第89回選抜高校野球大会」決勝。大阪桐蔭と履正社が「春の王者」を懸けてぶつかった。甲子園で、しかも決勝での“大阪対決”は史上初。アルプスからは割れんばかりの応援の声が響いた。

■大阪桐蔭「春王者」

 試合は大阪桐蔭が先頭打者本塁打で先制。二、六回にもソロ本塁打で加点して3−0とリードを広げた。履正社も意地を見せ、八回に同点に追いついた。しかし九回に5失点。大阪桐蔭が「春の王者」に輝いた。

 大阪桐蔭は、その後の春季府大会、春季近畿大会も制し、大阪、近畿に敵なしとばかりに白星を積み重ねる。その一方で履正社は春季府大会で5回戦敗退。大阪桐蔭の背中が遠ざかった。

■夏は準決勝で対戦

 そして夏の甲子園を懸けた大阪府予選。両校は順当に勝ち進み、7月29日の準決勝で選抜大会以来の対戦となった。朝から大勢のファンが大阪シティ信用金庫スタジアムに詰めかけた。開門が早まり、2年前に両校が2回戦で対戦したとき以来、外野芝生席を開放。スタンドは熱気に包まれた。

 試合はまたしても大阪桐蔭に軍配。履正社は六回に1点勝ち越したが七回に逆転を許し、九回に突き放された。大阪桐蔭は決勝でも公立の大冠を10−8で退けて夏の甲子園に出場。甲子園では2度目の春夏連覇に挑んだが、3回戦で仙台育英(宮城)に九回2死から守備のミスで悔しい逆転サヨナラ負けを喫し、連覇の夢はついえた。

 府予選、甲子園の敗戦とともに新チームが始動し、秋季大会ではまたもや決勝で大阪桐蔭と履正社がぶつかる。そして大阪桐蔭が9−2で勝利して優勝、近畿大会も制して来春の選抜出場を当確にした。履正社は近畿大会の初戦で智弁和歌山に敗れて選抜大会出場は消えた。

■履正社からドラ1

 履正社にとっては大阪桐蔭に屈した1年だったが、10月26日のドラフト会議で「東の清宮、西の安田」と評された左の強打者、安田尚憲選手がロッテから1位指名を受けた。安田選手は履正社の先輩、T−岡田(オリックス)、山田哲人(ヤクルト)の2人の本塁打王に続けとばかりにプロでの活躍を誓った。

激戦必至の来夏記念大会
 ○…大阪桐蔭と履正社の2強時代はまだまだ続く。実は、ここに割り込む高校が早く現れてくれないものかと期待しているのだが、そう簡単ではなさそうだ。
 夏の大阪大会決勝で大阪桐蔭に挑んだ公立の大冠が、九回の攻撃で4点を奪い「ひょっとして」と思わせた戦いぶりには拍手。来夏は100回記念大会で、大阪大会は南北地区に分かれて2校出場できるが、大阪桐蔭と履正社はくしくも同地区に入った。両校の戦力は充実。来年もこの2校が中心になることは間違いない。