浅野秀弥の未来創案

【原発事故汚染汚泥】

2016年11月10日

東電と政府は責任を取れ

 東日本大震災による津波で爆発事故を起こし、廃炉はおろか燃料棒回収のめどすら立っていない福島第1原発からの放射性物質拡散で、東日本地域の下水処理場汚泥や浄水場内土からセシウム134と137が検出され問題となっている。

 下水汚泥はもともと「日本最大の産業廃棄物」といわれ、2008年度約1億7611万トンで、国内汚泥の44%を占め、1日約500トンが発生し続けている。これまでは脱水し焼却灰にして、体積を約3%に圧縮。灰は主にセメント会社が原材料で引き取っていた。

 ところが、原発事故でこのサイクルが大幅に狂う。事故原発のある福島では、事故後の汚泥1キロから2セシウム合わせ620ベクレル(Bq)を測定。焼却灰にするとセシウムは濃縮されるので、何と1万4200Bqにまで跳ね上がった。2カ月後の測定でも灰からは7500Bqと、高い値を維持。同じ問題は東日本14都県の下水処理施設と浄水場など365事業体で起こっている。どこの処理場も「このままでは汚泥を処理できず場内があふれてしまう」と悲鳴を上げている。

 国はこの汚泥が「放射性物質の量は国の定めた基準値以下である」としてセメント協会に受け入れを指導。セメント原材料として使用再開されているほか、園芸土や肥料としても使われている実態をマスコミが取材。強い警鐘を鳴らしている。

 汚染汚泥の問題は、いずれわが国国民を確実にむしばむ日が来る。そのころには今の官僚や東電幹部は誰も組織や会社にいない。つまり手を下した者は誰も責任を取らないひどい実態なのだ。

 政府自民党は原発再稼働を目指し、最大野党の民進党も電力労組に遠慮して正面からこの問題を取り上げない。原発反対の急先鋒(きゅうせんぽう)・小泉元総理は「野党が統一候補を立て、原発の是非を争点にして総選挙を戦ったら必ず勝てる」と国民の心情を喝破している。

 ここは小泉元総理の言うように国民が本気で怒って、官僚べったりの自民党と労組言いなりの民進党の既存勢力癒着構造を根本から変えなければ戦後政治は終わらない。

 あさの・ひでや(フリーマーケット=FM=社社長、関西学生発イノベーション創出協議会=KSIA=理事長)1954年大阪市生まれ。わが国のFM創始者で日本FM協会理事長。関西経済同友会幹事。数々の博覧会等イベントプロデュースを手掛ける。