浅野秀弥の未来創案

【夢洲開発は大丈夫か?】

2017年3月23日

巨大地震の津波想定

 「南海トラフ地震・大規模災害に備える−熊本地震、兵庫県南部地震、豪雨災害から学ぶ」の著書がある田結庄良昭(たいのしょうよしあき)(神戸大学名誉教授)はその主張の中で「南海トラフ巨大地震は、フィリピン海プレートが日本列島に潜り込んで大陸プレートにひずみが留まり、それが跳ね返ってきて起こる。震源断層域は長さ700キロ、幅200キロでマグニチュード9・1と推定される。大阪市は『埋め立て地盤は一定の高さに対処されており津波に対し安全』と表明。しかし夢洲に限っての数値を見ると、『計画地盤高を9・1メートルとして、津波水位を5・4メートルと仮定、まだ3・7メートルの余裕がある』としている。しかし、津波は海岸付近では速度は遅くなるため、後ろ波が前波に追い付き階段のように盛り上がる“断波”が生じ高さを増す。3・2メートルの津波で6メートル程度の防波堤を越え、その津波は反対側に流れ落ち防波堤の根元を浸食し倒壊させる。仙台では1分間で防波堤は転倒した。津波は高速で波長が長いので遡上(そじょう)高の多くは1・5倍以上に、東日本大震災では遡上高は2倍から4倍になった。奥尻島の地震は津波高15メートルで、遡上高は倍の30メートルに達した。まして夢洲は埋め立て地。しかも盛り土や沖積層は軟弱なために地震動がさらに増幅される。夢洲のボーリング調査から沖積粘土層が20メートル以上の厚さで分布している事が分かった。このような軟弱な土地に高層ビルは立てられない」と警鐘を鳴らしている。

 もし南海トラフ巨大地震が2025年の大阪万博時に起こったら、夢洲にいる人々は波に飲み込まれ、建物につぶされる危険性が高まり、想像以上の人々が犠牲になる恐れがある。またIRカジノ構想地域でひとたび地震が起これば地盤が弱くて高層ビルが崩れ、人々は津波に襲われる。府市が開発を進めている夢洲への誘致は国内だけでなく、世界に危険性をさらけ出すことになりかねない。

 忘れられかけているが夢洲には、産廃処理と東日本の震災がれきの焼却灰を捨ててある点も無視できず、再度慎重な地質調査も必要。府民もここはじっくり立ち止まって考えるべきだろう。

 あさの・ひでや(フリーマーケット=FM=社社長、関西学生発イノベーション創出協議会=KSIA=理事長)1954年大阪市生まれ。わが国のFM創始者で日本FM協会理事長。関西経済同友会幹事。数々の博覧会等イベントプロデュースを手掛ける。


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