浅野秀弥の未来創案

【松井府知事名指しの波紋】

2017年3月30日

迷走続ける「森友」問題

 森友学園問で23日、籠池理事長の国会証人喚問が行われた。自民、維新、その他野党のそれぞれの思惑が交錯し、与党が主張する「これで審理は尽くされた、事実関係ははっきりした」とは到底言えない内容に終わった。さらなる真相追及が避けられない。

 自民は安倍昭恵総理夫人からの100万円寄付問題が出て、それまでの逃げ腰が一転証人喚問にまで一足飛びに踏み切り、籠池理事長に盛んに「ウソを言うと偽証罪に問われますよ」と前置きしながら質疑を続けたが、同理事長が頑として前言を撤回しなかったため、俗にいう「やぶ蛇」で幕引きとはほど遠い内容に終わった。

 続く維新は、自分たちのリーダー松井府知事を守ろうとするあまり真実解明より同理事長を責めるような言動に終始、揚げ句「はしごを外したのは松井大阪府知事」と名指しまでされる始末。知事自身も防戦に必死で、今度は自分の証人喚問まで国会に請求し力んでみせた。しかし足元の府議会では維新公明の与党が反対し百条委設置が見送りに。同知事のリーダーシップが問われるというよりは、言動不一致で幕引きを急ぐ思惑が見える。

 一方で官邸も、同知事の変節にかなり不信感を持ち、「これまで友好関係を保ってきたので、大阪万博構想などを支援してやったのに。こうなったら関係見直しだ」と憤っている。維新側としては官邸との関係修復も視野にこれ以上は事を大きくしたくないのが本音だろう。

 こうなったら真価を問われるのは、民進・共産・自由・社民の野党4党だ。先の証人喚問でもかなり本気で籠池氏から証言を引き出し、与党を慌てさせている。当事者の籠池氏がこれだけはっきりと自民・維新両党議員と府国の役人に対し「はしごを外された」と対決姿勢を示しているのだから、野党が腰を引く理由は何もないし失う物もない。

 世間は昔から、有力政治家の口利きで道路がきれいになったり、鉄道が通ったりする役人側に今はやりの言葉で言う「忖度(そんたく)」が存在するのを肌で感じて知っている。だからこそどの世論調査をみても、「解明すべきだ」という声が大半を占め、幕引きをよしとはしていないのだから。

 あさの・ひでや(フリーマーケット=FM=社社長、関西学生発イノベーション創出協議会=KSIA=理事長)1954年大阪市生まれ。わが国のFM創始者で日本FM協会理事長。関西経済同友会幹事。数々の博覧会等イベントプロデュースを手掛ける。