浅野秀弥の未来創案

【深く静かな合区論】

2017年4月20日

大阪都構想再燃 警戒せよ

 大阪市の市民生活に大きな影響を与える事象として先の区長会議で「総合区の区割り原案」が提示された。区長意見が集約された後に、吉村市長案が出され、議会でも本格議論がスタートする。

 今回提示の区割り原案は、市24区を合区で8つの総合区とするもので実質的には公明党案だ。2月10日に開催された市議会大都市税財政制度特別委で、同党議員が区割りについて質疑した内容が忠実に反映されている。吉村市長も「ベストな案だ」と持ち上げてみせたが、実際は同市長自身は市存続の総合区にする意思はなく、将来的に特別区いわゆる都構想実現を目指している。

 市長の主張はこうだ。「住民投票で一度は否決されたが、自分は知事市長ダブル選で“都構想再挑戦”を訴えて当選した。経緯をみれば再び特別区案を作ること(すなわち都構想の再燃)は当然だ。しかし総合区についてもベスト案を作り、最終的には住民に“特別区か、総合区か”を選ばせる」というものだ。どこからみても不合理な主張だと思うが、公明党はこの考えを裏で容認しており、世間的にもこの考え方が浸透していると見なければならない。

 大阪市議会で大阪維新の会は特別区を目指し、自民党は現在の24区を総合区とする考えに立ち、繰り返しになるが公明党は合区による総合区、共産党は基本現状の行政区のままという主張をしている。いずれの会派も単独では過半数に達しないが、特別区議論を進めたい維新の会は、公明党の合区総合区案に同意する方針。総合区導入や合区決定は議会の議決だけで良いから、今年中にも議会で決められてしまう可能性が否定できない。

 示された8総合区案は、都構想議論を再燃させるための手段でしかない。住民自治を進める上で重要な区割りが、住民意思の反映されない中で勝手に合区が決められ、大阪市は結果的に再編される。これまでの国政、地方のいかなる選挙でも、どの党からも大阪市8総合区案への提案は存在しなかった。今こそ住民の意見を十分に踏まえる意見交換過程が必要だ。こうした大きな変化は維新の会が大好きな住民投票にまず掛けるべきだろう。

 あさの・ひでや(フリーマーケット=FM=社社長、関西学生発イノベーション創出協議会=KSIA=理事長)1954年大阪市生まれ。わが国のFM創始者で日本FM協会理事長。関西経済同友会幹事。数々の博覧会等イベントプロデュースを手掛ける。


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