浅野秀弥の未来創案

【目的と手段】

2017年5月4日

プロの目による冷徹な判断

 私が常々思うことは、物事を行うに当たって大切なのは「何を成すべきか!」という目的意識がはっきりしている事だ。成すべきことを明白に理解し、コンセプトをしっかりと持っていれば、目的・目標を達成させるために「どのような人とモノが必要か?」がおのずと分かる。

 目指すべき物事をキチッと達成させるためには、「いかにプロの人材を適材適所に用いるか?」と、「そのプロを選ぶ公平で冷静な眼力」を持つ人間が組織のトップにいなければならない。企業もプロジェクトもイベントも、そして政治も同じだ。総合プロデューサーとはいかに優れた実務プロデューサーを選ぶ事ができるか! 実務プロデューサーはいかに優れた現場ディレクターを選ぶ事ができるか それが物事を成し遂げるために最も重要な過程なのだ。プロは瞬時で物事に対する問題点を見いだし、そのメリットとリスクを分析する事ができる。そして、可能性と危険性をてんびんに掛けて解決に導く創意工夫を見いだすことができる。本物のプロとはそのような人々の事を言う。

 現代社会で“真のプロ”といわれる人が次第に希薄になっているのは、総合プロデューサーや実務プロデューサーの練度が落ちてきているからだ。少子高齢化を背景に、働き方改革で労働環境がどんどん広く薄くの時代に入っている。野球やサッカーを職業とする人々の世界では、需要と供給がすべて。頑張って努力しても年俸300万円の選手もいるし、大学生と同じ年齢で年俸1億円の選手もいる。

 かつて物作り大国といわれ技術立国ともいわれた日本。小さな島国が、素材を輸入して加工して輸出し、現在の反映の礎を築いた。この道一筋の匠(たくみ)が安心して精進努力できた環境も次第に崩れ、今ではかつて世界に冠たる自動車や家電の製造業もアジア各国に取って代わられた。

 日本人の若者はもちろん、外国からの有為な人材も積極的に受け入れ、日本社会に今ならまだできうる匠(プロ)を受け継ぐ人材の発掘と育成が重要課題だと痛切に感じている。

 あさの・ひでや(フリーマーケット=FM=社社長、関西学生発イノベーション創出協議会=KSIA=理事長)1954年大阪市生まれ。わが国のFM創始者で日本FM協会理事長。関西経済同友会幹事。数々の博覧会等イベントプロデュースを手掛ける。