浅野秀弥の未来創案

【五輪をご都合主義に利用】

2017年5月25日

安倍式我田引水やめよ

 東北のみならず東京などの関東一帯で、白内障やいん頭がん、白血病や原因不明の鼻血が急増している。発病と放射能の因果関係は長い時間をかけ臨床例を積み重ねなければならないが、福島第2原発の事故処理が一向に進まぬまま、政府の“原発は安全。各地の再稼働は問題ない”の大宣伝を無批判に受け入れてよいのだろうか?

 かつての日本なら「安全・安価・クリーンなエネルギーは原発」のスローガンを誰もが信じたが、事故後の原発安全基準を満たすための経費は増大の一方。風力や水力、太陽光などの代替エネルギーの発達ぶりを見ていると、「なぜ安倍政権は原発に固執するの?」と思っている国民は案外多い。

 同じように2020年東京五輪開催を、安倍総理が金科玉条のごとく振り回し、今や共謀罪成立を開催の絶対必要条件としている。さらに今年の憲法記念日には、安倍総理自ら改憲に言及し、その中で「東京五輪までに改憲を」とまで言い出しているから、国民には「都合良く五輪開催に合わせてしまう人だな」と映ってしまうのも無理はない。

 日本はアベノミクスで膨張させるだけさせた経済が、根本的に限界に達している。それを五輪開催だけのために、総理総裁任期をはじめ公的施策すべてを合わすくらいなら、「短期イベントの五輪などいらない」と感じる人が増えている。サミットもそうだが、1、2週間の国家的イベントが景気に及ぼす効果は極めて限定的。一方で、原発事故のもたらした地域破壊と住民生活崩壊の解消はまったくといってよいほど前進していない。

 安倍総理の国会答弁は、森友問題で顕著となったが、薄ら笑いを浮かべながら野党をはぐらかし、答えの代わりに「いかに自分は国民に支持されているか?」を述べるだけの本質すり替えの連続。時にはどう喝して声を荒らげ、質問者の後ろにいる有権者が全く見えていない。

 原発事故処理で、政府は本気でリスク管理手順を国民に真面目に示すべきだ。ごまかしと問題すり替えはもうたくさんだ。

 あさの・ひでや(フリーマーケット=FM=社社長、関西学生発イノベーション創出協議会=KSIA=理事長)1954年大阪市生まれ。わが国のFM創始者で日本FM協会理事長。関西経済同友会幹事。数々の博覧会等イベントプロデュースを手掛ける。