浅野秀弥の未来創案

【解せぬ公明の都構想対応】

2017年6月8日

 公明党大阪府本部の土岐恭生大阪市議団幹事長は「われわれは前回の住民投票の結果を受け、大阪市を残す総合区の導入を主張している。法定協議会の中で、総合区の優位性を主張していきたい」と述べ、「大阪都構想に反対の立場には変わらない」との立場を堅持しつつ、吉村市長の都構想論議の法定協議会設置に賛成した。

 同党は従前より、府議会と大阪市議会で同協議会の設置に賛成、都構想には反対の立場を取っている。当初、維新が単独で大阪都構想の法定協議会を牛耳ろうとして自公民社共の各党がスクラムを組んで阻止。大阪都構想が立ち消えになる寸前に、東京の公明党本部が助け舟を出して、当時の松井知事と橋下市長と握手し都構想是非の住民投票まで持って行った過去がある。

 現在の公明党府本部は、大阪市を残した総合区計画で24区を8区に統合再編する案を提案。総合区計画推進なら市解体の都構想には本来反対のはずだ。大阪市内の住民や企業は24区のままでちっとも困らない。零細企業や自営業の経営者は、住居表示変更に伴う登記や所在地番変更案内などで大変な負担を課すことになるが「それでも総合区が必要」のメリットが見えない。

 公明党が政権与党の自民党を見限って地方の首長率いる地域政党にくみするのは大阪に限ったことではない。東京でも小池都知事人気にあやかろうと都議会自民党と決別し都民ファーストの会と連携を図り、来るべき都議選での勝利と小池与党に留まろうと必死だ。

 要するに公明党幹部は、国政で長く自民党と連立与党体制にあって今回の安倍政権と森友学園や加計学園との関係や便宜供与を見て「与党にいればおいしい」と身をもって知り尽くしている。だからこそ、大阪で維新、東京では都民ファースト、そして国政では自民党と、コバンザメのようにそれぞれの権力側とくみして生き延びる事しか考えない。

 八紘一宇(はっこういちう)(全世界を一つの家にする)精神を説いた牧口常三郎創価学会初代会長はもちろん、池田大作名誉会長がお元気なら決して許されない日和見主義である。心ある公明党支持者は、こうした二枚舌体質を拒否する清廉潔白な方が多いのだが…。

 あさの・ひでや(フリーマーケット=FM=社社長、関西学生発イノベーション創出協議会=KSIA=理事長)1954年大阪市生まれ。わが国のFM創始者で日本FM協会理事長。関西経済同友会幹事。数々の博覧会等イベントプロデュースを手掛ける。