浅野秀弥の未来創案

【天皇は国民統合の象徴】

2017年6月22日

安倍政権の私物化を許すな

 安倍総理やその周辺の今上天皇退位を巡る考えを聞いていると、陛下のお気持ちを軽んじ過去にさかのぼった在り方を無視し、先の大戦で消えうせたはずの明治時代の発想だけを金科玉条のごとく振り回すことに終始し実に嘆かわしい。

 今上陛下のお気持ちは、昭和天皇が人間宣言をされ平和日本の国民的統合の象徴として位置する崇高なお考えを引き継いだものだ。両陛下とも、靖国神社には戦犯合祀(ごうし)以来参拝されていないし、今回の退位論議の中でも一部での「公務をこなさなくても祈るだけでよい」との形骸化に対し、はっきりと拒否反応を示された。常々口にされている「国民とともにある」ことを第一とされ、災害地にもいち早く足を運ばれ、国民を激励する公務の重要性をないがしろにする考えだからだ。

 私は一人の日本人として、今上陛下のみ心を尊敬申し上げている。陛下はけっして国の政に口出しされないが、先のビデオによるお気持ちの表明はよほどのことであり、察するに「天皇の務めを果たせなくなって、皇太子殿下に摂政をさせるくらいなら、自身は退位する。国民の前には常に元気な天皇が居なければいけない」というやむにやまれぬお気持ちと拝察できる。

 21世紀でも立憲君主国は英国やタイなど世界で数多い。日本もその一つであり、皇室は国民統合の象徴としてこれからも日本には必要だ。しかし、陛下自身が厳に警戒しておられるように、日本会議や安倍総理のような戦前の大戦前夜のごとく天皇陛下を利用して戦争を正当化したり、あたかも陛下が開戦を指導したような行為を許してはならない。

 安倍政権の究極の本質は、戦前回帰のアナクロニズムであり北朝鮮など周辺国脅威を利用してわが国を「いつでもどこでも戦争できる国」にする国にしてしまうことだ。今上陛下もその危険性は察知されているようだし、皇太子殿下や秋篠宮殿下も陛下の教えからとっくにその本質を見抜いておられる。日本はけっして大日本帝国時代に戻ってはならない。皇室を利用しようとする輩の策謀は本当に危険だ。

 あさの・ひでや(フリーマーケット=FM=社社長、関西学生発イノベーション創出協議会=KSIA=理事長)1954年大阪市生まれ。わが国のFM創始者で日本FM協会理事長。関西経済同友会幹事。数々の博覧会等イベントプロデュースを手掛ける。