浅野秀弥の未来創案

【三権分立はどこへ】

2017年6月29日

米国の健全さがうらやましい

 トランプ政権がおびえるロシアによる米大統領選介入と癒着の「ロシアゲート」問題追及を見ていると、「まだまだ米国には三権分立が機能している」と感じる。独立した捜査権限を持った特別検察官は、行政府の長である大統領からの圧力をものともせず、司法の立場から事実解明に向かって進んでいる。

 確かにトランプ氏は新大統領としては極端に低い支持率の異常な状態にあるが、民主的に選出されたことに間違いはない。しかし、大統領与党の共和党内でも議案ごとの是々非々が徹底、大統領の考えが議会通過するには与野党を問わずロビー活動し、議員個々を説得して賛同させる必要がある。トランプ氏が議会承認のいらない大統領令を連発するのは、議案提出しても可決の見通しが立たないためで、同国の三権分立は明確に機能している。

 日本はどうか? 安倍総理が自民党議員の公認権を一手に握り、昭恵夫人の証人喚問も行われないし、珍手禁じ手や強行採決と何でもありだ。極端に選挙の強い議員ばかり集まり細々と“反アベノミクス”の勉強会を開いている程度だ。

 司法もまともに考えれば、「クリーンで安全、安価」の建前が崩れた原発再稼働問題に関し、地裁や高裁でOKが出るはずがない。安全性と採算の面からも立ち止まって考えるべき時なのに、判事が政権の顔色ばかり見て簡単に認めてしまう。

 “第4の権力”と言われたマスコミも、読売新聞や産経新聞など体制ベッタリのメディアが出現、安倍政権を援護する。いずれは敵対マスコミに対しトランプ氏ばりに、「フェイクニュース(ウソ報道)による印象操作だ」と言い出すだろう。

 アベノミクスで経済的に潤っている人も金持ちには多いが、大半の国民はその実感を抱けていない。イオン岡田会長の「2%インフレなんてイリュージョン(幻想)にすぎない」の言葉に賛同する人は多い。できもしない経済成長だけを前面に押し出し、自身の疑惑や右傾化への批判を無視する、現政権のいかがわしさにいい加減国民は気付いてほしい。

 あさの・ひでや(フリーマーケット=FM=社社長、関西学生発イノベーション創出協議会=KSIA=理事長)1954年大阪市生まれ。わが国のFM創始者で日本FM協会理事長。関西経済同友会幹事。数々の博覧会等イベントプロデュースを手掛ける。