浅野秀弥の未来創案

【原爆と終戦の8月に思う】

2017年8月31日

陛下のお気持ちを察して進め

 8月が終わる。この月の日本はお盆であり、15日の終戦記念日、さらにそれにつながる広島・長崎の被爆の日と不戦の誓いを確認する時期。現在63歳の私は戦後生まれで、72年前の太平洋戦争の悲惨さを知らない。

 おぼろげながら幼い頃、親に住まい近くの商店街に連れられた際に、白い着物姿で腕や足を失った傷痍(しょうい)軍人の方が、アコーディオンなどを奏でながら道行く人々に窮状を訴えている姿を、詳しい事情も分からずこわごわ見ていた世代でもある。

 そんな事すら知らない世代が、日本の誇るべき戦争放棄を明文化した平和憲法の改正に手を付けて果たして良いのだろうか? 真の保守とは家族を守り、隣人と心を通じ合い、故郷を慈しみ、国を愛して子どもたちが生きる未来を少しでも平和で夢を持てる国にしたい人々の事をいう。

 先人たちが築き上げたこの国は戦後72年の間、平和で暮しやすい日本を築いて頂いた。日本民族は今こそ、この「王道」を受け継がなければならない。真の政治とはその国に住む人々を守り、先導して行くものだ。一言一句憲法を変えてはならない、とは思わないが「変えてもよい物と、決して変えてはならない物がある」ということを国政に携わる人間は肝に銘じてほしい。

 真摯(しんし)に国民の幸福と日本の発展を考えるなら、そのあるべき姿を見据えなければならない。すなわち、戦後脈々と続いてきた「米国従属主義」を考え直す時期に差し掛かっていると感じる。

 国民の永遠の象徴である天皇陛下は、戦犯合祀(ごうし)以降昭和天皇も今上天皇も靖国神社を参拝されていない。常に国民を励まし勇気付けながら戦後日本で共に苦労された陛下は、その役割を果たせなくなった時、自ら譲位を選択され皇太子殿下にその地位をお譲りになる。まことに潔く、自らの務めに徹せられたそのお姿は、世界への誇りでもある。

 真の保守主義とは、日本の行く末を示し、平和憲法と象徴天皇を信じて、国の在り方を正しく理解して進められる国民の事を指すと思っている。

 あさの・ひでや(フリーマーケット=FM=社社長、関西学生発イノベーション創出協議会=KSIA=理事長)1954年大阪市生まれ。わが国のFM創始者で日本FM協会理事長。関西経済同友会幹事。数々の博覧会等イベントプロデュースを手掛ける。