浅野秀弥の未来創案

【堺市長3選も…】

2017年10月5日

党利党略で維新に塩

 総選挙公示直前で慌ただしいが、あらためて先月末の堺市長選結果を総括しておきたい。自民、民進などが推薦、共産も自主支援し3選を果たした竹山修身市長は、維新府議で同党公認の永藤英機氏に2万3千票差と前回に比べ随分詰め寄られた。

 大手新聞社はこの結果に「維新は都構想実現に水を差された」と分析しているが、維新側があえて正面からの都構想是非論を避けて市長選敗北ダメージを最低限に抑えようと後ろ向きだった割には、得票は接戦だった。

 同時に行われた府議市議補選は、自民共産がバラバラに候補者を擁立した結果、維新がいずれも勝っている。維新側は市長選の名を捨てて補選の実を取った格好。大手新聞社の指摘したような痛手でも何でもなく、橋下前大阪市長が去った後も、維新政治の1丁目1番地である府市議会勢力はしっかり拡大し、自治体首長も着々と増えている。

 公明党は国政では自民と連立政権を組み、地方では大阪や東京で非自民の松井、小池両知事与党会派として活動中。国とねじれていても「与党側に居続けることが大事」で気にならないようだ。それを見越し松井、小池両知事は「小選挙区で公明候補が立つところには候補者を擁立しない」と秋波を送る。

 今回の衆院選の維新と希望の選挙公約は、盛んにこれまでの自民党政治が引きずっていたしがらみを断ち切る新たな政治手法をアピールする点が確かに似ている。しかし、その実態は「自民側が長く持っていた利権を引っぺがし、自分たちサイドに付け替える」程度の差しかない。元々が保守だから、中身は五十歩百歩なのだ。

 維新が立てて当選した府内自治体の首長は、極端に言うと「勝てるから」その衣をまとっているに過ぎない。「バッジを着けることが最優先」の構図は、衆院選で走っているセンセイ方も皆同じだ。

 大阪では維新政治に多くの政党関係者が憤っている。それならせめて、地方議会だけでも「維新VSその他」で対抗し続けないと、府政と大阪市政奪還への展望は他党が永久に扉を開けられない。

 あさの・ひでや(フリーマーケット=FM=社社長、関西学生発イノベーション創出協議会=KSIA=理事長)1954年大阪市生まれ。わが国のFM創始者で日本FM協会理事長。関西経済同友会幹事。数々の博覧会等イベントプロデュースを手掛ける。