総選挙も終盤に入った。各種世論調査を見ると、最大野党民進党の3分裂による潮流は自公与党側にプラスと出て、改選議席は下回る物の両党で過半数確保はおろか「安定多数確保は間違いない」という分析結果が大勢を占めている。
日銀のマイナス金利政策導入以降、選挙中に日経平均株価は21年ぶりの高値を更新。好況感が与党有利に投票行動に働くのは間違いない。
そこで国債などの金利から見て「変動と固定のどちらが得か?」を考えてみたい。これまでだと「短期なら固定で、長期なら変動」という一般常識があった。ところが昨今は、「リスクを回避するためには長期でも固定の方がよい」とささやかれ、私もそう思う。
日銀が昨年9月に導入した長期金利も操作対象とするイールドカーブ・コントロール(YCC)政策に対し私は、「景気の振幅を大きくし過ぎる」と思っている。しかし、日銀の黒田東彦総裁は今後もこの政策を「物価上昇率2%の目標達成まで、強力な金融緩和を粘り強く進める」と前置きして、「長期金利は操作目標のゼロ%程度で安定的に推移している」と分析、短期金利をマイナス0・1%、長期金利を0%程度に目標として誘導するとはっきり示した。
7月に日銀審議委員を退いた野村総合研究所の木内登英エグゼクティブエコノミストは、ロイターとのインタビューで「YCCは廃止が望ましいが、次善策として操作対象を現行の10年国債利回り(長期金利)から5年や3年などに短期化することで、リスク軽減を図ることが考えられる」と発言している。
これでは民間が国債を売れない状況が生じ、流動性が極限まで下がってしまう。その場合、世界的な流動性リスクの高まりで金利が一気に上昇、結果的に変動幅がさらに大きくなる危険性があると私は思う。当然、日本経済に大きなマイナスとなり、国の財政リスクも膨らむ。
来春には黒田総裁は任期切れを迎える。それまでに2%インフレ目標の見直しをキッチリしてもらわないと、「非常に危険な状態を招くことになる」と本気で心配している。
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