浅野秀弥の未来創案

【大阪万博誘致の裏】

2017年11月30日

誰に利権あるか考えよう

 吉村洋文大阪市長が、先日プレゼンテーションしてきた2025年の万博を大阪に誘致することへの関心がどうも盛り上がらない。PR大使役として、お笑い大御所のダウンタウンや歌舞伎界からも人間国宝・中村鴈治郎から片岡愛之助まで上方の人気者たちを次々起用しているが、愛知万博では70万人いた誘致賛同の会員数は11月1日時点で14万5千人に留まっている。万博の主催者BIEは地元の賛同数を非常に優先するのに、府民は冷ややかだ。

 府市は、職員に自腹でロゴ入りTシャツ(1600円)を購入させ不満が広がっている。大阪市では10月から賛同会員登録時に、職場名を記入するフォーマットにして行政官庁や職域でチェック、無言の圧力を掛けて登録者数増加に躍起だ。

 先のプレゼンで、府は賛同登録会員が14万5千人つまり府民人口から計算して約6%しかいないのに、BIEには「約80%の人が25年万博を知り、約52%が誘致に賛同している」と勝手な大風呂敷を広げている。日本は東京五輪招致プレゼンテーションでも、安倍総理が「福島の原発事故は、完全に制御コントロールできている」と平気で満座でのウソを言う体質だから、それに比べると悪意がないのだろう。

 かつて大阪市が舞洲で2008年夏季五輪を目指し、正式立候補したが選考は中国・北京に大敗した。今回の会場予定地の夢洲は、現在野球場やキャンプ場のある五輪予定地だった舞洲の南側、WTCやコスモスクエアのがありニュートラムが走る咲洲の西側に位置し、現在はコンテナターミナルがあるだけの広大な埋め立て地だ。

 五輪は、市がずさんな大阪湾人工島開発のツケを五輪誘致でごまかそうとした茶番劇だった。今回は夢洲でカジノを統合型リゾート(IR)と称しての誘致を一足先の23年に開業させ、その不健全性を府民の目から隠そうというのが万博誘致計画の実態だ。

 都構想といいIR誘致といい、維新のやろうとしている事が、「いったい誰が得をするか?」を府民はじっくり見定めた方がいい。

 次回は、その夢洲の危険で金の掛かる実態を考えてみる。

 あさの・ひでや(フリーマーケット=FM=社社長、関西学生発イノベーション創出協議会=KSIA=理事長)1954年大阪市生まれ。わが国のFM創始者で日本FM協会理事長。関西経済同友会幹事。数々の博覧会等イベントプロデュースを手掛ける。