浅野秀弥の未来創案

【都構想の外部試算】

2018年1月25日

結論ありきは明白だ

 松井一郎府知事は今月10日の記者会見で、「大阪都構想の経済効果確認のため、これまでの府市二重行政による弊害で過去に被った損失を外部に委託して試算する」との方針を明らかにした。

 知事は、大阪市の橋下前市長や吉村現市長との府市連携を「バーチャル大阪都」と表現。自らの施策を「二重行政はなくなったと言われるが、それはあくまで人間関係による広域一元化だ」と結論付け。「それ以前の府と市は、長らくけん制し合っていた。何十年もの間、どれだけ損をしていたかを調べたい」と、結論を早々と示唆した上で調査意図を説明した。2月中には発注するそうだ。

 この手の調査を外部委託して一見中立性を装いながら、その実は旧態依然とした行政関係審議会のように、自分たち主導で我田引水するのは維新政治の最も得意とするところだ。一般の調査会社は茶番と分かっているからムダな公募に人と時間を掛けてまで手を挙げないので、結局落札するのは維新の息が掛かった会社や組織だけ。そこにむざむざ公金をくれてやり、内容は知事への忖度(そんたく)だらけの勝手なお手盛りで満たされる。知事や市長が喜ぶ報告書の内容などおおよそ見当は付くし、ムダ遣いもいいところだ。

 担当府市職員にとっては、上司の意向に従わざるを得ない空虚な内容作りへ信念を曲げて無理に作文するより、第三者の民間会社にやらせる方が多少寝覚めもよい。

 結果は都構想制度設計を議論している法定協議会(法定協)に5月にも提出するそうだ。本来、法定協が業者を選んで発注すべきなのに、自分たちの都合のよい報告書を振りかざしながら、知事と市長は都構想の賛否を問う住民投票を秋ごろに再び実施する皮算用だ。

 維新の党にとって、大阪都構想は1丁目1番地の最大政策。今更「実現しても効果なし」とは口が裂けても言えないから、党の存続を掛け突っ張り続けるしか手はない。もし都構想の旗を降ろしたら、党勢衰退一途の維新はその瞬間に空中分解する。大阪市民は早くその茶番に気付かなくてはいけない。

 あさの・ひでや(フリーマーケット=FM=社社長、関西学生発イノベーション創出協議会=KSIA=理事長)1954年大阪市生まれ。わが国のFM創始者で日本FM協会理事長。関西経済同友会幹事。数々の博覧会等イベントプロデュースを手掛ける。