浅野秀弥の未来創案

【G20大阪開催の意義】

2018年3月1日

維新べったりの菅長官

 来年6月下旬から7月上旬にかけて、日本で初めて開催される主要20カ国・地域(G20)首脳会議が大阪市で開かれる事を安倍政権が決めた。誘致合戦は大阪と福岡の両市で繰り広げられ、敗れた福岡市にはG20財務省・中央銀行総裁会議を回し穴埋めしてもらう。

 両市の争いは、福岡市が地元の麻生太郎財相を奉じ、大阪市は松井一郎府知事と親密な菅義偉官房長官が窓口となっての争いだった。元総理の麻生氏は今や戦後最長の財相在任期間となり、かつて持論だった経済優先政策を忘れすっかり財務官僚に丸め込まれた。先の佐川国税庁長官の森友問題に関する虚偽答弁問題では、野党に徹底追及されても平然と擁護発言を繰り返したのは記憶に新しい。

 日本一頭のよい官僚の中でもトップ集団財務省にとって、プライドだけやたらに高い麻生財相を手なずけるのは赤子の手をねじるようなもの。黒田日銀総裁再任が、平昌冬季五輪開会式で総理外遊中にマスコミ辞令で報じられるに及んで、官邸トップの菅長官が意趣返しの形で「G20開催地選定で一本返した」という見方が政界で有力だ。

 大阪でこの手の会合は、1995年秋にAPEC(アジア太平洋経済協力)首脳会議が開かれている。当時を覚えている方なら、やたらと街角に警官が立ち、交通規制も頻繁でうっとうしい気分にさせられた記憶があるはず。ホテルは大半が関係者で押さえられ、ただでさえ客室不足の状況に拍車が掛かり、一般の市民や旅行者に取ってはマイナス面の方が大きい。過疎地ならともかく、外国人観光客が飛躍的に増え続けている大阪市にとっては、手放しで喜ぶべき話ではない。

 安倍政権がG20開催や2025年万博誘致協力で、実績乏しい維新府政を下支えしている。万博開催地決定を今秋に控えた時点だけに、自民党大阪府連からは「菅長官は、どこまで松井府知事に花を持たせたら気が済むんだ!」との恨み節が聞こえてくる。こんな調子で、一度は否決された“大阪都構想”が住民投票でうっかり可決されれば、大阪市は即消滅。市民が後悔しても二度と取り返しはつかない。

 あさの・ひでや(フリーマーケット=FM=社社長、関西学生発イノベーション創出協議会=KSIA=理事長)1954年大阪市生まれ。わが国のFM創始者で日本FM協会理事長。関西経済同友会幹事。数々の博覧会等イベントプロデュースを手掛ける。