浅野秀弥の未来創案

【FRB、米金利上昇画策】

2018年3月8日

日本円、弱体化の危機

 FRB(連邦準備制度理事会)は、昨年から来年まで3年連続3回の利上げを見込む。これにより世界経済は、株価と為替の動向への注視を求められ、特に日本はよりいっそう国内経済の動向に警戒していかねばならない。

 米国内の利上げで日本が利益を損なう恐れがある。利上げ当初は米国の景気動向を見守る投資家の動きで、ドル売り円買いが起きる。しかし投資家たちが、利回りが高い米国への為替投資を始めると円売りにかじを切り円安を呼ぶ。

 FRBは、日銀と少しシステムは異なるが米国中央銀行制度の最高意思決定機関だ。2月に米イエレン前議長の後任として就任したパウエル議長は金融市場が乱高下する中で、「経済に対する脅威が生じないか警戒している」と述べた。また「政府当局は完全雇用と物価安定の目標達成に向け前進を続けている」と沈静化に努めた。

 同議長は「金融の安定を脅かすリスクが生じていないかどうか、われわれは警戒を続ける」と、世界金融市場が大きな価格変動に見舞われて以降、初めて公の場で発言した。イエレン前議長は、金利を据え置いてインフレ誘導しようとした。新体制になって初の今月20、21の両日に開催される次回会合は利上げが広く予想される。

 2月下旬に行われた米財務省実施の国債入札は、計1790億ドル(約19兆1700億円)。財務省短期証券(TB)では最高落札利回りが3カ月物TB(発行額510億ドル)1・64%、6カ月物TB(同450億ドル)1・82%と2008年以来の高水準に上昇。4週間物TB(同550億ドル)も1・38%と高かった。2年債入札(同280億ドル)の最高落札利回りも2・255%と、ほぼ10年ぶりの高水準になった。

 投資家の需要を測る指標としての応札倍率は、当然下がって2・48倍と08年以来の低水準に転落。米金融筋は「2年債入札には“まずまずの需要がある”と予測していたが、5年債と7年債の結果を懸念している」と指摘。発行総額は2580億ドルに達し、米納税者に大きな負担を強いる。主要な経済統計発表がない中での、入札結果が示す米経済は今後の借り入れコスト上昇を確実に示している。

 あさの・ひでや(フリーマーケット=FM=社社長、関西学生発イノベーション創出協議会=KSIA=理事長)1954年大阪市生まれ。わが国のFM創始者で日本FM協会理事長。関西経済同友会幹事。数々の博覧会等イベントプロデュースを手掛ける。