浅野秀弥の未来創案

【突然の市大・府大統合】

2018年3月15日

公明変節の背景を問う

 先月23日、大阪市議会本会議で十分な議論もないまま、市立大と府立大の法人統合が維新と公明の賛成多数で可決された。

 もともと、この法人統合案に対し公明市議団は自民以上に慎重で、「もっと議論を尽くせ」と主張してきた。それが突然の態度急変には議会内外で驚きの声が上がっており、私も極めて残念と言いたい。同市議団有志に確認すると、「われわれの中でも反対の声が大きかったが政治判断で賛成した」という。一体どんな判断なのかぜひ聞いてみたい。

 表面上の理屈は、2月6日の市議会都市経済委で、公明市議から吉村市長への質疑に対し、統合後の新大学ビジョンが示されたからとのこと。「新キャンパスは集約化し、市の中心部での立地を検討。森ノ宮地域は有力な候補地の一つであり、建設費用は既存キャンパスの売却益などを財源に」との内容だ。この答弁に対し、公明側は「いい答弁をもらった」と受け止め、賛成に転じたという。

 もともと吉村市長は、住吉市民病院存廃問題も含め橋下前市長並みの思い付き発言が多い。今回の答弁も具体性が十分担保されず、実現の可能性も不透明だ。そもそも、市立大は「大学は都市とともにあり、都市は大学とともにある」という第7代大阪市長・関一氏の思想の下に、住吉区杉本町に開設された。以来90年にわたり同区民にとっては身近な存在だ。

 示されたビジョンによると既存キャンパスは売却され、杉本町の市立大キャンパスは現状の影形を失う。このような重要な案件が、市議会や住吉区民にキチンとした形で提示されず、維新と公明のなれ合いで一方的に決められてしまうことは断じて許されない。

 公明市議団に問いたい。大学と共に長年育んできた杉本町周辺の街づくりを突然放棄させるかのような今回の一方的法人統合に、政治判断で簡単に賛成してしまった責任を何と考えるのか?

 私が以前にも指摘した同党の最大支援組織「関西創価」の指導力劣化と、決して無縁ではあるまい。

 あさの・ひでや(フリーマーケット=FM=社社長、関西学生発イノベーション創出協議会=KSIA=理事長)1954年大阪市生まれ。わが国のFM創始者で日本FM協会理事長。関西経済同友会幹事。数々の博覧会等イベントプロデュースを手掛ける。