浅野秀弥の未来創案

【万博するなら万博跡地で】

2018年3月22日

舞洲カジノ実現の片棒はダメだ

 2025年の万博開催地決定が刻々と迫ってきた。夢洲での会場建設費はおよそ1250億円と試算、国と地元自治体、経済界がそれぞれ3分の1ずつの負担になるようだ。国にとって建設国債発行だけで済むならその一部が大阪に落ちるかもしれないが,大阪府と市で3分1を負担して、さらに地方債を出せるのだろうか? 20年の東京五輪の膨らむ費用で苦しむ東京都の例を持ち出すまでもない。そして関西財界も絵に描いたもちにならず分担費を捻出する事ができるのか? かつて鶴の一声で企業や団体から金を集めることができた松下幸之助氏や佐治敬三氏らが健在だった“カリスマ経営者の時代”とは違うのだ。そもそも1250億は現時点の試算費用。五輪並みに倍の2500億に膨らむ可能性も高い。

 まして海に突き出た会場に見物客を運ぶ費用は、私の試算でも危険を回避する交通インフラ整備や南海トラフ巨大地震対策費まで絡むと最低3600億円は見積もらなくてはならない。この費用は、大阪府と市、地元財界ではとても負担できない。

 一般の方は、国が丸抱えでの国債発行にはならない事実を理解していない。実際の運営費など開催費用は入場料や協賛収入等でまかなわなければならないが、その費用に相当できるだけの入場料収入が得られる保証はどこにもない。私のように、各地の博覧会などのイベントを何度もプロデュースした者でなければ詳細は分からないだろうが、赤字になれば大阪の自治体と財界の負債として長年抱えることになる。

 松井知事や吉村市長は、IR(統合型リゾート)と言い換えたカジノの夢洲誘致を正当化するために、懸命に万博実現を演出したいだけだ。ただし、マカオやシンガポールなど東アジア地域のカジノは、近年中国からの超富裕層の渡航見合わせで軒並み収支が急速に悪化している。

 大阪の住民は、どうして「万博がやりたいなら、今も跡地が憩いの場として残る吹田市の万博記念公園や鶴見区の花博記念公園鶴見緑地でやればいい」と言わないのだろう。

 あさの・ひでや(フリーマーケット=FM=社社長、関西学生発イノベーション創出協議会=KSIA=理事長)1954年大阪市生まれ。わが国のFM創始者で日本FM協会理事長。関西経済同友会幹事。数々の博覧会等イベントプロデュースを手掛ける。