
はじめまして。LineWork(s)建築士事務所の水谷賀一と申します。今月より、このコーナーにコラムを書かせていただくことになりました。よろしくお付き合いください。
さて、私の仕事は建築士なのですが、「建築士」や「建築家」というと、皆さんはどんな印象をお持ちになるでしょうか?
大半の方は「デザイン」や「芸術」に近いイメージを抱かれ、さらには「小難しい」「かたい」といった印象をお持ちではないかと思います。
でも、実際にはそんなことはありません。私は、建築士という自分の仕事を、「住まいづくりにおけるプロデューサー」だととらえています。
住まいとは、その大前提として、何十年もの間、住む人の命や健康を守るものでなければいけません。
私は、兵庫県西宮市の自宅で、あの阪神淡路大震災を経験し、激震を体感するとともに、被災状況を目の当たりにしました。建物の重要性を痛感し、「人の命を守る建築の道を志そう」と決めたのは、その時です。
人の命を守る住まいづくりのためには、「耐震性」や「耐久性」、さらには「居住性」といったすべてをクリアする必要があり、また、住む人が愛着を持ってメンテナンスし続けられるものでなければいけません。
そのために、住まいづくりを希望するお客さんの家族構成、ご希望、コスト、さらに立地や敷地条件といったあらゆることを踏まえ、専門的な検討を繰り返し、図面という形で分かりやすくアウトプットする−これが建築士の仕事だと考えています。
さらに住まいは、形になるまでに何十業種といわれるほど多くの職人がかかわります。それぞれの技術が絶妙に混ざり合ってこそ良い住まいづくりができるのですが、それぞれの技術をどう生かし、どう混ぜ合わせて最大限の相乗効果を生み出すか−これを考えるのも、建築士の仕事だと思っています。
私が建築を志してまずしたことは、大工・左官といった職人の技を肌で感じることができ、住まいが形づくられてゆく過程を監理する現場監督でしたが、この時の経験は、建築士としての今に大きく生きています。
そしてもう一つ、建築のプロデューサーとしての仕事があります。さて、それは何だと思われますか?
答えをお話する前に、少し視点を変えた「建築」のお話をしたいと思います。
私は住宅建築を専門とする建築士です。なのでここまでは、住まいづくりという視点から建築について書いてきました。でも、建築とはもちろん、住宅だけでなく、ビルや商業施設などの構造物のすべてを造ることを言います。つまり、人が生活したり、集まったり、活動したり、楽しんだり−そんな場所のすべてが建築によって形づくられ、存在しているわけです。
ちょっと想像してみてください。これらをつくる建築が、人や地域、国や世界、そして地球に及ぼす影響はどれほど大きなものでしょう?
建築とは文化であり、歴史であり、風景であるとともに、実は地球環境に最も大きな影響を及ぼすものでもあるのです。
ここに、建築のプロデューサーとしてのもう一つの仕事があるのです。
その答えは次回以降、じっくりとお話ししていきたいと思います。
(大阪府豊中市)









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