連載・特集

澪標 ―みおつくし―

11月8日今日は何の日?「いい家の日」

釜中  明
NPO後悔しない家造りネットワーク「いい家塾」塾長
2011年11月8日
〈いい家塾〉誕生秘話

 私が30年前にシナリオを書いて制作した、人と住まいの関わりを描いた映画「木霊」の上映会を市民団体が9年前開催してくれました。上映後、当時より住宅環境がますます悪くなっていると危機感を訴えました。家を買ってから「こんな筈(はず)ではなかった」と後悔する人が随分多いからです。

 ローンが終わる前に建て替えなければいけない短命住宅や欠陥住宅などの資産価値のない家。暑さ寒さや結露に悩む家。被害が深刻なシックハウス症候群や化学物質過敏症。いずれの問題も、消費者が家づくりを知らないことが大きな原因です。そんな無防備な消費者を救済したいと熱っぽく語りました。

 参加者から「釜中さん、具体的にどうしたいねん?」と聞かれました。私は消費者自身が「良品と悪品」を峻別(しゅんべつ)できる知識と最新情報を提供する場をつくりたいと提案しました。

 「いい家とはこんな家です」「こんな家に住みたい」と言えるようになるために、勉強の場の必要性を痛感していたからです。参加者から拍手が起こり、1級建築士や工務店、自然素材の家具店の代表者など数人が同意してくれて、その場で任意のNPO「いい家塾」が誕生したのです。

 設立趣意や基本理念

 1、「いい家」が多くの社会問題を解決する重要な要素であると考え、住環境の改善、向上に向けて行動する任意のNPOとして創設した。

 2、「こんな筈ではなかった」と後悔する人を無くすため、知識と情報を提供する講座を開設し、賢明な消費者の輩出で消費者保護を目指す。

 3、良質な家造りを実現するため、消費者の自立と主体性が高まるように支援する。

 と決意したのです。設立から9年、全力投球で「いい家塾」を開催してきました。これまでに巣立った卒業生は約500人。「常識の非常識を知りました」「目からうろこです」といい、多数の卒業生から実際に家造りの相談があり、いい家造りをも手伝っています。

 家が完成した時には共に喜び合い感動を共有します。開塾して本当に良かったと胸が熱くなる瞬間です。

 衣食足りて「住貧」を知る

 衣食は有り余っていますが、人生で重要な住まいがなぜ貧しいのか考え続けてきました。信じ難い事に日本に住まいの哲学をうたった「住宅基本法」が存在しなかったので早期制定を政府に要望してきました。2006年ようやく「住生活基本法」として施行されましたが残念ながら内容は努力目標にすぎません。

 当塾の基本理念は「人は家を造り住まいは人を創る」と掲げました。運動は(1)100年住宅で個人経済を豊かにし、よき家族制度の復活を目指す(2)11月8日を「いい家の日」と定め住環境の向上に向けて活動する−と決めて取り組んできました。

 今年の「いい家の日」は公開講座の開催

 13日に公開講座を神戸市で開催します。

 テーマは「後悔しない家造り5つの決め手」です。多彩な講師陣による納得の講座です。詳細はホームページをご覧ください。参加申し込みは「いい家塾」事務局=電話06(6773)3423へ。(大阪市天王寺区)



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