連載・特集

澪標 ―みおつくし―

人々を悩ます住まいの「五重苦」

釜中 明
NPO後悔しない家造り  ネットワーク「いい家塾」塾長
2011年12月20日

 家を買って後悔している人の多くが「シックハウス・コンクリートストレス・断熱・結露・音」の五重苦を抱えて悩んでいます。

 ■一重苦=シックハウス

 新築やリフォームした家に入居後、体のだるさ、耳鳴り、めまい、動悸(どうき)、不眠、皮膚炎が治まらないといった症状が続く。ひどい場合は寝込んでしまい、日常生活すら送れなくなり、その家には住めなくなるという事例が数多く報告され、訴訟にまで発展しています。

 シックハウスの原因はホルムアルデヒド、キシレン、トルエンなど、建材に使われている十数種類もある石油系のVOC(揮発性有機化合物)です。これらは室内にじわじわと発散し空気を汚染していきます。新築の家に入った時、頭痛や目がチカチカしたりツンとした臭いがすることがありますが、正体は建材に含まれている様々な化学物質で健康を損なう危険なものです。

 シックハウスはよほどひどい症状にならない限り、普通の疲れや体調不良と区別しにくく気づきにくい病気です。同じ環境に住んでいても症状が出ない人もいるため、「わが家はシックハウスなのかもしれない」と疑いだすのが遅れてしまうのです。塾生にもこの苦しみを抱えて対応策を学んでいる人がいます。

 ■二重苦=コンクリートストレス

 木と打ちっぱなしのコンクリートに囲まれている空間は、どちらが快適ですかと問えば、ほとんどの人が木の方が快適と答えるでしょう。コンクリートは命が通ったものではないので、生物である人間には馴染(なじ)まないのです。このようなコンクリートの人間に及ぼす悪影響をコンクリートストレスといいます。

 宿命だといわれている結露やコンクリートの持つ「冷たさ」です。下半身が冷え、全身にまで寒さが這(は)いあがってきます。これは、コンクリートの「冷輻射(ふくしゃ)」という現象が原因です。

 コンクリートは木の14倍も熱を伝えやすい性質を持っているので、冬は外の寒さがコンクリートを通して室内に伝わり、体の底から体温を奪っていきます。体の内部から冷やされると、体温が下がり免疫力が弱り自律神経が失調して、ホルモン系も変調をきたし消化不良や血流も悪くなります。

 また、がん細胞は急速に増殖し特に女性のがんに影響を与えます。若い女性の冷え性や、平熱が35度台しかない低体温の人が増えていますが、鉄筋コンクリート造りのマンションやオフィスビルの増加と無関係ではないと感じます。紙面の都合でクレームのワースト3でもある「断熱・結露・音」は次回に譲ります。

 「後悔しない家造り講座」15期生募集中

 2月から毎月1回、全10講のプログラムで多彩な講師陣が担当して塾がスタートします。500人の卒業生から「常識の非常識を知りました」「目からうろこです」と高い評価を頂いてきました。

 家を買う前に最新の情報と最適な知識を獲得しておけば安心です。「いい家とはこんな家です」「こんな家に住みたい」と自信をもって言えるようになってから家造りをスタートしてください。ご一緒にいかがですか。

 第1講は2月19日(日)会場は大阪市立住まい情報センター3階。午前11時半〜午後5時。参加費は1回千円。詳細はインターネット「いい家塾」で検索。申し込み、お問い合わせは電話06(6773)3423、事務局釜中悠至へ。Eメールアドレスはinfo@e−iejuku.jp

 (かまなか・あきら 大阪市天王寺区)