連載・特集

澪標 ―みおつくし―

住まいのクレーム・ワースト3

釜中  明
NPO後悔しない家造り  ネットワーク「いい家塾」塾長
2012年2月3日

 家を買って後悔している人の多くが「シックハウス・コンクリートストレス・断熱・結露・音」の五重苦を抱えて悩んでいます。前回積み残した「断熱・結露・音」の問題はクレームのワースト3です。

■三重苦=断熱

 夏暑く冬寒いという悩みを訴える人が随分多い。当塾ではいい家とは「夏涼しく冬暖かい健康住宅」と定義しているくらいです。

 住まいについての重要なキーワードのひとつが、「断熱」です。暑い外気や冷たい外気が家の中に入り込まないように建材などで遮ることです。

 夏の猛暑や冬の極寒を防ぐには、風や太陽の熱など自然の恵みを生かしつつ、適切な断熱を施さなければ、断熱効果が上がらないだけでなく結露を招いてしまいます。断熱と結露は切っても切れない関係なのです。

 最近では、「高気密・高断熱」といわれる家が登場してきました。しかし、化学物質を含む建材で建てられた家を「高気密」にしたのでは、シックハウスの原因を充満させるのと同じです。今や、断熱はシックハウスの問題とも切っても切れない関係です。そのため、化学物質の発散しない自然素材を使った家づくりをおすすめします。

■四重苦=結露

 冬の朝、窓にびっしり水滴がついている。床や畳を濡(ぬ)らしている。朝の日課は結露拭きから、という家庭も少なくないでしょう。断熱材や断熱工法を適切に選べば、結露は防ぐことができます。

 結露はさまざまな病気の原因となります。カビが生え、バクテリアが発生しそれを餌にダニが繁殖し、ダニの死骸や糞(ふん)がぜんそくやアレルギーを引き起こします。ビニールクロスの裏、押し入れやキッチンの裏、畳下など知らず知らずのうちにカビやダニを育てています。そんな環境で赤ちゃんが、寝転がったりハイハイをしたりしていると思うとゾッとしませんか。ある医師から聞いたのですが、脳の中にもカビが生えるそうです。

■五重苦=音

 住宅に関するクレームの最多が「音」です。マンションなどの集合住宅では、日常茶飯事のように音のクレームが寄せられているそうです。戸建て住宅でも、家族のたてる音で何かとトラブルのもとになっています。水洗の音、話し声、時々おならの音まで聞こえてくるようでは、精神的によくありません。

 音の正体は、空気の振動です。その振動をはねかえせば音は響きます。今話題の外断熱は、柱間が空胴なので太鼓の原理で音が室内で響き渡るので問題が多く出ています。振動の伝わる効率が良ければ音は遠くに届きます。逆に振動を吸収し振動を伝えにくくすれば大きな音を防げます。

 音を吸収するという点で、木はすぐれた素材です。床、壁、天井が木でできている部屋では音はそれほど反響しません。代表的なのはコンサートホールです。音の乱反射を防いで音楽を楽しませてくれます。

 さて、断熱・結露・音の問題解決策は、重要課題ですので次号でお伝えいたします。

 以上が、現代の家が抱える五重苦です。この五重苦を取り除くだけで、住み心地は抜群に良くなります。安全で快適で長持ちする家、家族が健康で平和に過ごせるという、平凡でささやかな願いをかなえられる家になります。当塾の合言葉は「家笑う」です。

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 (かまなか・あきら 大阪市天王寺区)



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