澪標 ―みおつくし―

プロフェッショナル人材戦略 マネージャーに就任し思うこと その3

乾 俊人
大阪府プロフェッショナル人材戦略マネージャー
2017年2月3日

 私の投稿も最後となりますが、今回はプロ拠点事業の中心メンバーとなる人材紹介会社と金融機関について触れたいと思います。

 大阪府ではプロ拠点が設置されてから丸1年が経過したことから、昨年12月末までに登録を終えた45社で新規登録を終了しました。まず驚いたことは、人材マッチング事業が高度で非常に困難性が高い中で、この業界では熱い思いを持って取り組んでいる多くの方々がいるということです。

 一方、思いとは裏腹に、多くの課題、問題点もありそうです。

 ・大手人材サービス会社を中心に転職者市場全般にさまざまなサービスの提供をしていますが、エグゼクティブ層は別にして有料職業紹介で企業に紹介すべき人材とは何か、はっきりとした指標がないように思います。

 ・1年間で80社ほど企業を回りましたが、「求人広告を出したが反応がない」「採用したいような人材が全く来ない」といった声を良く耳にしました。どのような求人内容でしたかと確認すると、完全成功報酬制の「有料職業紹介」を活用した方が良かったのではないかと思うような案件も散見されました。

 ・求人広告と有料職業紹介による採用人材の違いを業界自ら明確にしないことで経営者に届かず、経営課題や採用意図などという非常に重要な事項を直接経営者に確認できないことも多いようです。

 ・その結果、中小企業を中心に「攻めの経営」に必要な「人材投資」が、単なる求人コストと認識され、「経費として高すぎる」「コストに見合った人材は採れない」といった「誤った有料職業紹介事業感」を持った経営者を説得できないでいるように思います。

 次に「金融機関」の課題、問題点です。

 ・これまでも企業に対する「人材支援」の必要性は分かっていましたが、業法との関係や銀行から出向・転籍できる人材もなく慎重な対応に終始することが多かったようです。

 ・リーマンショック後金融庁の方針もあり企業の「経営支援」に積極的に取り組んできましたが、非常に重い課題である「人手不足」についてはやはり支援が難しかったようです。

 ・プロ拠点も「地方創生」を目的に設置されたことから「人手不足」に対応できる力はありませんが、活用によっては「企業の人材不足」に対する有効なツールとなることがようやく理解され始めたように思います。

 ・今、全国的にプロ拠点を真ん中に挟んで金融機関と人材紹介会社との連携が進み始めています。12月末で700件以上の人材マッチングに成功するなど、全国規模での大きな成果が生み出されようとしています。

 (いぬい・としひと、大阪府交野市)