澪標 ―みおつくし―

書を世界に

上平 梅径
ライブ書道家・青霄書法会主宰
2017年3月6日
世界の笑顔と般若心経のポスター

 書の魅力を世界の人々に伝えたいという思いから、2012年にシンガポール視察、13年はタイでの展覧会視察、台湾嘉義市での二胡・三味線とのコラボライブ書道とさまざまな活動を行ってまいりました。

 当会で書の勉強を望み、文化ビサを取得し2年間真摯(しんし)な勉強を重ねたスティーブン・ライアン君がこの年にアーティストビザの取得を見事、果たしました。国際的に書の普及を考えている当会にとっても本当に願ったりかなったりのグッドタイミングでした。

 ネット上での書道展・書メコンテストでの「書メ賞」の受賞や2年連続の毎日書道展での入選がビザ取得の大きな要因の一つだったようです。

 唐代の欧陽詢が書かれたとされる般若心経274文字をモチーフにして、1字ずつを274枚のミニ色紙に書きあげ、それを一人一人にプレゼントして作品と一緒に笑顔の写真を撮ってもらおう、そして274人の世界各国の笑顔で般若心経を完成させよう…という企画が立ちあがりました。

 その企画を『書で世界をひとつにプロジェクト!』と名付けました。なかなか書の話などを外国で唐突にするわけにもいきませんが、この企画だと気軽に声をかけ漢字の意味や書の魅力などもお話しすることができます。言葉の壁もライアン君が通訳をしてくれることにより、乗り越える事もできます。そしてライアン君が書の心得を身につけているということも必要不可欠なことでした。そのほか、異国の地で書の普及のためにどんなことができるのだろうか? とさまざまな意見を出し合いミーティングを重ねていざ、アメリカ大陸へ…。ガイドと通訳は、ライアン君が快諾してくれました。

 関西空港から台北を経由してロサンゼルスへ。そこからレンタカーでサンタモニカ。広大な砂漠を走り抜けグランドキャニオンへ。ドライブの最終地はラスベガス…。

 この日程をあらかた決めてから現地のギャラリーや美術館にライブ書道や書のワークショップの企画オファーを送り、ロスのジャパンファンデーションセンターでのライブ書道・ワークショップが現実のものとなりました。うちわにリクエストの文字や2メートル×2メートル程の用紙に大字を書かせてもらったり、現地にお住まいの日本人の方をはじめたくさんの方々に参加いただき、1回目のアメリカツアーは無事終了。帰国後、世界の笑顔と般若心経で1枚のポスターを仕上げこれから世界へ挑む大きな足掛かりとなりました。

 このポスターを眺めているとこれは台湾の空港で、この笑顔はサンタモニカの海岸…この人はこの漢字の意味を興味深く聞いてくれた…など世界各国の人々がこんなにも書に関心を持ってくれているのだと再確認もできました。(大阪市中央区)