澪標 ―みおつくし―

子どもが英語をやる気になる時

松本 昌子
株式会社ECC総合教育研究所
2017年10月6日

 私は、子どもが100人以上通う学校で、2年間勤務した。ECC外語学院では1歳半から英語を学ぶことができるので、親に抱っこされながらやってくる小さな子たちもいたし、反抗期真っただ中の中学生たちもいた。それだけバラエティーに富んだ100人と日々接していると、毎日が予想もつかない事態の連続で、笑ったり泣いたりに忙しい日々だった。でもとても楽しくて、有意義な日々だった。

 子どもは大人のように、TOEICの点数や海外出張などの明確な目的を認識しているわけではない。だから、英語学習を続けさせるには、やる気をどのように出させるかがポイントになる。子どもの意欲が落ちてきたと感じたら、保護者の方とよく話し合って、どうすればいいのか一緒に考えた。状況によって対応は千差万別だが、私は以下の2点が特に重要だと思う。

 まず大切なのは、一緒に取り組んであげることだ。

 幼児や小学生低学年で、英語学習への意欲が高い子を見ていると、保護者の方が上手に関わっておられるケースが多かったように思う。1歳半から英語をスタートさせたある家庭では、「おやつの後は英語の時間」と決めて保護者の方が宿題のDVDを見せてあげていた。それがその子の毎日の習慣となり、小学生になるころには自分でおやつの後にDVDを見るようになった。

 また、「一緒に勉強しよう」という姿勢でいてあげることも効果的だ。私は、保護者の方が「英語の発音が下手だから、子どもの前で英語を言わないようにしているんです」というのを、本当によく聞いた。それはとても残念なことだと私は思う。英語の発音に自信がなければ、自分がお手本になろうとせず「一緒に言ってみよう」とか、「どうやって言うのか教えて」と言えばいい。

 小学校高学年にもなれば、親にそんなことを求めなくなってくるので「最近書くのが上手になってきたらしいね」など、ちょっとした褒め言葉をさりげなく与えるのがいい。そのためにも、子どもの様子をこまめに伝えてくれる英会話教室を選ぶといいだろう。

 次に大切なのは、夢と英語がつながっていると気づかせてあげることだ。

 大人から「英語は将来役に立つ」と聞かされても、それが自分事としてとらえられない限り、子どもが英語の必要性を実感することはないだろう。そこで私は、子どもたちの好きなものや将来の夢に、英語を関連付けて話をするようにしていた。

 科学者になりたいという小学4年生の男の子に「科学者になったら英語の論文を読んだり、英語でプレゼンしなきゃいけない」と伝えると、とたんに英語をやる気になり、それまで多かった遅刻も忘れ物も一切しなくなった。グローバル化が顕著な現代では、子どもたちのたいていの夢は、どこかで英語につながるはずなので、ぜひ大人がいろいろ話をしてあげてほしい。

 どんな子どもも、向上したいという意欲を持っている。子どもたちを一人の人間として認め、真正面から接すれば、子どもは自ら成長していくものだと私は考えている。

 (まつもと・まさこ、奈良県生駒郡)