澪標 ―みおつくし―

成 長

鈴木 武司
関西学院初等部教諭
2017年10月27日

 子どもの成長は速いものですね。その速度にはいつも驚かされます。小学1年生の担任をしているので余計にそう思うのかもしれません。大人が想像できないほどのスピードで、さまざまなことを吸収していきます。

 4月に入学してきた子どもたち。当初は教室に入る前に泣きだしてしまう子どももいました。しかし、1年の半分を過ぎた10月にもなると、まるでずっと長い間小学校生活を送っていたかのように過ごしています。その順応の能力は、われわれ大人以上ではないでしょうか。

 そんな1年生が先日、初めての体育祭を経験しました。体育祭は小学校生活の中でも特に大きな行事です。本校は全学年A・B・Cの3クラスあり、赤組・青組・白組に分かれて各競技で競い合います。1年生は競技としてクラス対抗のリレーと玉入れ、演技としてチアダンスをします。

 9月に入ってから、多くの時間をチアダンスの練習に費やし、リレーや玉入れの練習を行ってきました。高学年になるにつれて、隣のクラスには負けられないという意識が高まっていき、休み時間や放課後にはそれぞれのクラスで作戦を練り、勝つための練習を行います。各担任も子どもたちと一緒になって励みます。

 そうしてクラスの団結力を高めていきます。低学年ですので本番を迎えるまで勝ち負けの意識はそれほど高くありません。しかし、そんな1年生でもいざ本番になると、大変な盛り上がりを見せました。負けて悔しがる高学年の後ろ姿を見て、来年は絶対に勝つと意気込んで体育祭が終わりました。

 子どもたちが書いた振り返りの文章には、次のようなものがあります。

 「せんせいあのね、たいいくさいがはじまるとき、とてもきんちょうしました。なぜかというと、おおぜいのひとがひさしぶりだからです。リレーでは、こころがドタバタしました。あかぐみがまけたのは、すごくくやしかったです。六ねんせいになったら、おうえんだんちょうになって、一いになりたいです。」

 「せんせいあのね、たいいくさいのひ、一ねんせいのたまいれAぐみが三かいともかちました。三かいともかったのは、ひとりひとりががんばったからです。らいねんは、ぜったいにかちます。」

 しっかりと理由をつけて文章を書くことができるようになった子ども。自分のことだけではなく、みんなのことも考えて文章を書くことができるようになった子ども。この大きな行事を通して、また子どもたちは成長したのだなあとつくづく感じました。これから、まだまだ私の想像をはるかに超えながら成長していくであろう1年生。残りの半年間、しっかりと見守っていこうと決意した瞬間でした。

 (すずき・たけし、兵庫県宝塚市)