澪標 ―みおつくし―

「水都モデル」への挑戦(4) 光のまち大阪を目指す!

室井 明
NPO法人大阪再生プラットフォーム役員
2018年11月10日

 世界一の光の都市は、フランス・リヨン市であろう。リヨンの光の祭典は、フルベールの丘のマリア像に各家の窓からろうそくを捧げたことに始まり、今では世界中から実に多くの人が訪れる。光は明るく輝くだけでなく、街の景観にマッチし、人々に感動を与える美しいものでなければならない。「街はキャンバス、光は絵具」というフレーズからは、世界一の光の都市らしい自信と迫力を感じる。

 大阪のライトアップは、2003年、大阪中之島を舞台にした「OSAKA光のルネサンス」から始まった。その後、御堂筋イルミネーションや橋梁ライトアップ、さらには大阪城や歴史的建築物へのライットアップ、再開発エリアや周辺都市部のイルミネーション等が加わり、大阪の冬の風物詩に成長した。

 大阪の「光のまちづくり」の特色の一つは、大阪府、大阪市、経済界が連携するオール大阪の官民協働体制にある。このような仕組みは全国でも珍しい。また、「グランドデザイン」、「ガイドライン(技術指針)」、「アクションプラン」というまちづくりの体系が制定され、計画的にブラッシュアップされている事も成功要因である。

 二つ目の特色は、多彩な市民参加プログラムの出現である。一例を挙げれば「中之島スマイルアートプロジェクト」。これは、地域の子どもたちや来場者が、笑顔とメッセージを「ひかりの実」に描き、中にLEDを入れて樹木に飾り付けるもので、幻想的な夜景を演出している。親子連れが、「〇〇ちゃんが作ったのはどれ?」と探す姿はほほ笑ましい。

 さらに、「水と光のコラボレーション」も水都らしい特色である。水と光は相性が良い。大阪は八百八橋と言われるが、難波橋・天神橋はじめ大阪を代表する橋梁のライトアップを大阪府・大阪市が推進した結果、大阪の夜の景観は見違えて美しくなった。中央公会堂など河岸の建築物や高速道路橋脚のライトアップも印象的である。また、多くのクルーズ船の描く光の流線は水都らしい。

 『大阪の都心を舞台として展開されてきた「光のまちづくり」は、国内各地で展開されている都市再生のソフトプログラムのなかでも、ベスト・プラクティスのひとつに数えられるものであると確信する。(創元社「光のまちをつくる」)』とその存在感はリヨンに近づきつつあると思う。

 21世紀は都市のシンボルとして光が市民権を得る時代である。都市間競争の時代を迎えて、人々に訴えるものを持たない都市は衰退していくことを考えれば、「光のまちづくり」は、「水都大阪ブランド」の重要な柱であると言えよう。美しいライトアップは、大阪に住む人々にも、大阪を訪問する世界の人々にも感動を与える。「水都モデル」の成功のために、「光のまちづくり」に大きな期待が懸けられてよい。感動と共感を呼ぶライトアップの推進が水都大阪に望まれるゆえんである。(むろい・あきら、兵庫県宝塚市)

 ■8月17日掲載の「水都モデルへの挑戦(3)」の文中の『大阪府江之子島文化芸術創造センターの「大阪カンヴァス推進事業」』は、『大阪府府民文化部の「おおさかカンヴァス推進事業」』でした。