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澪標 ―みおつくし―





 

ロボット・ファン.net主宰・ライター
三月 兎
2008/07/04

ロボット・ファンを増やしたい 大阪の町工場で「ガンダムを作りたい!」 

坂本元さん(前列左)とNKK有志のメンバー
 大阪で「ガンダムのような巨大ロボットを作りたい」と夢を持って、ロボット開発をしている人たちがいる。

 開発者の坂本元さんは、子どものころに見たアニメ「機動戦士ガンダム」に憧(あこが)れてロボットを作り始め、二足歩行ロボットの開発・販売をする「はじめ研究所」を設立した。坂本さんが製作するロボットは、ロボット格闘大会のROBO−ONE大会に出場し安定した歩行と運動性能で注目を集める一方、ロボカップ世界大会のヒューマノイドリーグでも活躍した。今年のロボカップには、世界各国から出場する二十五チーム中三チームが、はじめ研究所のロボットを使っている。

 坂本さんの研究を支えているのがNKK(西淀川経営改善研究会)の有志たちだ。NKKは、西淀川区の中小製造業が、一九八四年に経営改善の勉強会として発足した。

 坂本さんがロボット作りに専念し始めたころ、NKK内部で「みんなの技術を合わせればロボットを作れるんじゃないか?」という声が上がったという。とはいうものの、メンバーの誰もロボットを製作した経験がない。

 そこで、NKKメンバーの三木氏(三木製作所)が、異業種交流会で知り合った坂本さんを講師として招き、NKKのロボット勉強会を開いた。それがきっかけとなり、NKKの有志が坂本さんと一緒にロボット開発をするようになった。

 坂本さんは、大学で電気・電子工学を学び、卒業後は大型機械メーカーでソフトウエアの設計をしていた。ロボット製作に必要な機械加工や設計、素材に関する知識などは独学で進めている最中だった。

 坂本さんのロボット作りの経験とソフトウエアの知識、町工場が持つアルミからクッション材に至るまで素材に関する知識と、板金やレーザー加工技術などがちょうどマッチングした。

 坂本さんは、三木製作所内のスペースに研究所を移した。以来、ロボットのフレームや部品の試作などはNKKメンバーに手伝ってもらうようになり、開発スピードがアップしたという。

 昨年、身長一メートルロボットを開発した。今は、二年で身長を倍にする計画で開発を進めている。予定では、二〇一四年には身長一八メートルのガンダム級のロボットが誕生するという。

 坂本さんは、イベントなどで子どもたちに「ロボットが大好きになれば、ロボットを作れる」と伝えている。

 近い将来、大阪の町工場から子どもたちに大きな夢が届くかもしれない。

 (さんがつ・うさぎ 兵庫県伊丹市)

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