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澪標 ―みおつくし―





 

ロボット・ファン.net主宰・ライター
三月 兎
2008/08/08

「レスキューロボコン」開催9、10日神戸

 
 一九九五年一月十七日、阪神淡路大震災が発生した。当時、ロボット研究者の多くが、「なぜこのような非常事態にロボットが役に立たないのか」と被災地からのニュースを見ながら歯ぎしりをしたという。

 実は、日本で死傷者が千人を超える大震災害が発生したのは、四八年の福井地震から四十八年ぶりだった。ロボット工学が誕生したのは五〇年代だから、阪神大震災はロボット研究者たちにとって、初めて経験する大震災だったのだ。

 震災後、研究者たちは災害救助活動に役立つロボット技術を研究するために国へ働きかけた。新たにレスキュー工学を発足させ、二〇〇二年に大都市大震災軽減化特別プロジェクトを立ち上げた。

 こうした最先端での研究はもちろん重要だが、若い世代にレスキューロボットに対する関心を育てること、同時に、広く一般へ防災意識を啓発することも必要である。

 その目的をかなえるために、神戸でレスキュー活動をテーマにしたロボットコンテストが誕生した。

 レスキューロボットコンテスト(通称・レスコン)では、大震災直後の街を模したフィールド内から、要救助者に見立てた人形をいかに安全に素早く救助し、安全地帯まで搬送するかが課題となっている。単に早く救助すればよいわけではなく、人形には痛みを感じるセンサーが搭載されているので、手荒なことをすれば減点の対象となる。

 レスコンはタイムや得点を競うのではない。各チームが、自分たちの立てた作戦に沿って、ベストなレスキュー活動をすることが求められている。

 最近はロボコンが人気で、各地でさまざまなコンテストが開催されているが、観客にとってはロボットの特徴や性能が分かりづらく楽しむポイントがつかめないことも多い。

 その点レスコンは、各チームが競技前にロボットの特徴やレスキュー方針についてプレゼンテーションをする時間が設けられていることと、何より「人形を助け出す」という目的が分かりやすいために見ていて面白い。

 観戦していると、思わず人形に感情移入してしまい、助け出すのに手間取ったり手荒な扱いをされたりすると「痛いっ」と呟(つぶや)いてしまうくらいだ。

 コンテストを見学すると、ロボット開発を志す学生たちの意気込みを感じるとともに、レスキュー活動の大切さや難しさを考える機会が得られる。ぜひ親子で「第8回レスキューロボットコンテスト」を観戦してほしい。会場は神戸サンボーホール。競技は九−十日午前十時から。入場無料。

 (さんがつ・うさぎ 兵庫県伊丹市)

 「第8回レスキューロボットコンテスト」のホームページアドレスは次の通り。
http://www.rescue-robot-contest.org/
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