おおさか未来予想図

 多くの外国人観光客(インバウンド)でにぎわった2017年の大阪。18年は国際博覧会(万博)誘致が本格化し、カジノを含む統合型リゾート(IR)や大阪都構想の賛否が問われる。各地で進む再開発やホテル建設の槌音(つちおと)は大阪の福音となるか。大阪で起こる未来への動きから予想図を描く。第1部は「先端技術のまち」をテーマに、ロボットや人工知能(AI)、モノのインターネット(IoT)、情報通信技術(ICT)への取り組みを紹介する。

第1部「先端技術のまち」(2)

AI、ロボット
2018年1月4日

広がる活躍の場 接客や案内 親近感も

生活の中に浸透してきたAIやロボット。上が阪急百貨店うめだ本店のAIを活用した店内案内チャット。下が今回の京都での「ロボ旅」のイメージ写真(コラージュ)

 人工知能(AI)やロボットを生かしたサービスが身近になってきている。その存在は生活の中に着実に浸透し、広がりを見せている。

百貨店に

 にぎわう百貨店。インフォメーションカウンターには、年間100万件を超える店内案内の問い合わせがあるという。

 阪急うめだ本店(大阪市北区)では、百貨店で初という「AIを活用した店内案内チャット」サービスを昨年12月に開始した。

 同サービスには、ウェブ上の接客サービスを提供する「空色」(東京)の自動会話プログラムを導入。「迅速に目的の売り場を紹介できる。お客さまサービスの拡大」(エイチ・ツー・オーリテイリング)と語る。

 約1千の売り場の1600ほどのブランドが対象。97カ所ある各階の案内板にある二次元コードをスマートフォンで読み込む。化粧品や婦人服のブランド名などキーワードを入力することで、目的の売り場情報をマップとともに即座に受け取ることができる趣向だ。

 スタート以来、1日100件程度の利用があり、そのデータを蓄積し、サービスの精度を高め、内容を拡充させていく考え。2018年春には、阪神百貨店梅田本店にも導入を予定している。

 日本語の他、英語に対応し、増大する訪日外国人へのサービス向上も期待されている。普段は利用機会の少ない遠方や若い世代に「ストレスなく、探していただける」(同)。

観光の相棒

 「旅のシーンでは情緒も重要。ロボットが持つ表現力が生かされ、能動的にしゃべりかけてくれることで親近感もある」。19・5センチの相棒との旅が、新たな観光の価値を生みだそうとしている。

 JTB西日本(大阪市中央区)は、シャープ(堺市)のモバイル型コミュニケーションロボット「RoBoHoN(ロボホン)」を使い、一緒に街歩きを楽しむ商品「ロボ旅」の販売を始めた。

 両社とロボットクリエイターの高橋智隆氏、ゲン社(大阪市)との協業で、今回は首都圏発の京都旅のみ。ロボット工業会の「ロボット導入実証事業」に採択された。

 「ここの角を曲がると清水寺」「一緒に写真撮ろうよ」。GPS(位置情報)やビーコン(電波発信機)に反応し、一定のポイントでロボホンが声をかけてくる。

 施設の説明をしたり、道案内をしたり。多言語通訳機能で英語、中国語にもサービス対応し、店側も訪日外国人とのコミュニケーションがスムーズにできる。

 観光人材の不足の緩和につなげるほか、ロボットの愛らしい動きと会話で旅の楽しさを増幅させる効果も。

 JTB西の御池達也営業担当課長は「ロボホンはガイドであり、パートナー。ロボットの旅の可能性は広がる。地域の魅力発見につながれば」と話す。

ミニクリップ
 AI 人工知能。Artificial Intelligenceの略。人間の知能の持つ機能のあるコンピューターシステム。ロボットやスマートフォンなどの製品のほか、医療、投資、自動車とさまざまな分野に採用される。AIの進化・普及により、なくなる職業といったオックスフォード大の論文が注目を集めた。