おおさか未来予想図

 多くの外国人観光客(インバウンド)でにぎわった2017年の大阪。18年は国際博覧会(万博)誘致が本格化し、カジノを含む統合型リゾート(IR)や大阪都構想の賛否が問われる。各地で進む再開発やホテル建設の槌音(つちおと)は大阪の福音となるか。大阪で起こる未来への動きから予想図を描く。第1部は「先端技術のまち」をテーマに、ロボットや人工知能(AI)、モノのインターネット(IoT)、情報通信技術(ICT)への取り組みを紹介する。

第2部「万博誘致の行方」(3)

受け入れ態勢
2018年4月20日

2800万人、安全輸送課題

誘致が実現すれば会場となる人工島の夢洲=大阪市此花区

 2025年の国際博覧会(万博)の誘致が成功すれば、会場の大阪湾岸の人工島「夢洲(ゆめしま)」(大阪市此花区)には、期間中に約2800万人が訪れる見込みだ。国内外から訪れる大勢の来場者を、安全に輸送するための交通手段の確保が必要になる。ホテルの宿泊計画のほか、防災面では南海トラフ巨大地震への備えも求められている。

■アクセス確保へ

 万博の開催期間は、25年5月3日〜11月3日までの185日間。会場の夢洲は大阪湾岸に位置し、市内中心部から約10キロの距離にある。総面積は約390ヘクタールで、このうち万博会場として155ヘクタールを使用する予定だ。

 現在の外部との交通手段は、北側にある人工島「舞洲(まいしま)」とを結ぶ「夢舞(ゆめまい)大橋」のほか、南東側の「咲洲(さきしま)」とを結ぶ「夢咲(ゆめさき)トンネル」だけ。

 経済産業省は、過去の万博開催の実績などを参考に国内から2470万人、海外から350万人が来場すると想定している。国や府によると、交通網については大阪メトロ中央線の「コスモスクエア駅」から夢洲までを延伸。さらに大阪市内の主要駅や会場外の駐車場からシャトルバスを走らせ、来場者を輸送する考えだ。

 団体バスの駐車場を会場近くに確保したり、海上アクセスや自転車などによるアクセスの確保も検討項目として挙げている。

■宿泊施設「十分」

 来場者を受け入れるだけの宿泊施設は足りるのか。国は関西地方のピーク時期の1日当たりの宿泊者数を36万4千人と想定。現在ある宿泊施設に加え、25年までに完成予定の宿泊施設を含めると、1日当たり36万5千人が宿泊可能だと試算している。

 国が博覧会国際事務局(BIE)に提出した万博の計画を記載した立候補申請文書(ビッド・ドシエ)では、「温泉リゾートから簡易な旅館まで、来場者と参加者を受け入れるのに十分な宿泊施設がある」としている。

 各国の万博参加者のための宿泊施設「EXPO VILLAGE(エキスポ ビレッジ)」も会場近くに確保する予定。参加国のスタッフ専用の無料シャトルバスも運行するという。

■津波への備えは

 海に浮かぶ夢洲だけに、地震や津波への防災面も重要になる。南海トラフ巨大地震が起きた場合の此花区の津波高は、満潮時の海面から3・2メートルと想定されている。大阪市は地盤の高さを干潮時の水面から11メートルを確保するよう整備。

 これにより、地盤沈下を見込んだ50年後でも地盤の高さは干潮時の水面から9・1メートルが確保でき、満潮時の津波予測高に対して3・7メートルの余裕が確保されるという。

 大阪府万博誘致推進室の担当者は「開催までの7年間で、専門家の意見を聞いて実際の避難や食料、毛布などの備蓄についても検討したい」と話している。

ミニクリップ
 夢洲 大阪市の最西端にあり、大阪北港の一画の人工島。物流倉庫の大規模集積地化を進めており、総面積は約390平方メートル。このうち155ヘクタールを万博会場として使用する。パビリオン配置の工夫、バリアフリー設計などで移動時間や待ち時間の短縮を図る。環境に配慮した会場整備や運営も行う。


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